(ノイマン型コンピュータが問題解決の基本です)
ノイマン型コンピュータは、一度の1つのジョブしか実行できません。
最近では、マルチコアのCPUや更にコア数の多いGPUが出てきていますが、並列処理は部分的に留まっています。
地球温暖化など計算科学で扱う方程式の多くは、偏微分方程式で、記載されます。
このとき、時間微分と空間微分が問題になりますが、この2つを同時に解くことはできないので、交互に計算します。
複数の問題を解く場合でも、実際の計算は、1つしかできず、対象をスイッチすることで、あたかも、あたかも、複雑な問題を解いているように見えるわけです。
偏微分方程式に影響を与える項は、時間変化と空間変化です。これは、マルチイシューと見ることができます。
複雑な原因がある場合でも、問題解決は、1つずつ順番に行うことが、現実的な解決方法です。
2)マルチイシューの解法
日本の労働生産性は、低いです。
労働生産性は、アウトプットをインプットでわって求めます。
労働生産性をあげるには、アウトプットを増やすか、インプットを減らすことになります。
無駄を省くカイゼンは、インプットを減らす方法です。
売れ筋の新製品を開発するのはアウトプットを増やす方法です。
大学等で、研究業績の評価は、「論文の価値X論文の本数」できまります。
本数が少ないが、価値のある(引用回数の多い)論文がよいのか、そもそも論文の本数を増やした方がよいのか選択の余地があります。
アベノミクスは3本の矢からなっていて、第3の矢は、産業構造を変える対策、第1と第2の矢は、産業構造が変わらない場合の対策でした。
結果として、第3の矢には、全く手が付きませんでした。
このように、複数のイシューがある場合、あれもこれも対象にすると、結局。問題解決が進まないか、片方のイシューだけを問題にして、残りのイシューをなおざりにする事態がおこります。
筆者は、この場合への対処は、ノイマン型コンピュータが基本だと考えます。
労働生産性について、WEBで検索をかけてみましたが、このことを指摘しているHPはありませんでした。
企業が、コストカットに走り、インプットを絞り込むと、画期的な新製品は出にくくなります。
一方、ベンチャーのように、新製品開発だけに重点を置くと、インプットの無駄が広がってしまいます。
この2つは、どちらも重要ですが、同時に対処することは困難です。
ノイマン型コンピュータで、偏微分方程式を解く場合には、非常に短い時間単位でジョブの切り替えを行います。
人間の組織では、ジョブの切り替え時間をあまり短くはとれませんが、2、3年単位で、重点をおくイシューを切り替えることで問題を解決できる場面も多いと思います。