フィルライトは、画面の中にライトを追加する効果です。
darktable3.2までは、フィルライトというモジュールがありましたが、darktable3.4からは、このモジュールは廃止されています。
Photoshopには、照明効果フィルターがありますが、darktableでは、専用モジュールを廃止しましたので、混乱を避けるために、説明します。
なお、darktableは、RAW現像ソフトなので、基本的には、写真に何かを書き込む処理は、対象外としています。また、「設計思想が、できるだけ少ないモジュールで、効率的に現像する」ことを目指していますので、使用頻度の低いモジュールは、作らず、kritaなどの描画ソフトで対応すべきと考えています。ですから、Photoshopのように多様な光源を書き込むことは考えていません。
マニュアルの記載は以下です。
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フィルライト or 補助光 (非推奨)
このモジュールは darktable 3.4 から廃止されました。新しい編集には使用できません。 トーン イコライザー モジュールまたはマスクを描画した露光モジュールを使用してください。
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というわけで、「トーン イコライザー モジュールまたはマスクを描画した露光モジュール」の使い方を説明します。
写真1は、人物の彫像に光が当たっていますが、窓からの光線が強くて、ライティングの効果が見えません。写真1では、露光モジュールの新しいインスタンスをつくり、パスマスクを追加しています。
写真2では、パスマスクの露光をあげています。境界が目立たないように、フェザーを大きくとります。
写真3では、トーンイコライザーをつかって、彫像の上にマスクポインターをおいて、そこのゾーンの露光をあげています。この方法では自然な露光になり、あまりスポットライトには見えません。
写真4では、トーンイコライザーにパスマスクを追加しています。
写真5では、パスマスクの部分で、彫像の上のゾーンの露光をあげています。こうするとスポットライトにみえます。
パスマスク中の光は光源に近い方が明るく、光源に遠い方が暗くなるはずです。そこで、パスマスクとグラデーションマスクを合成した積集合のマスクの作成を試みましたが、写真6のように失敗しています。操作が悪いのかもしれませんが、マスクの合成は、レイヤーの合成と同じレベルで、分かり易いとは言えません。もとの明るさが、光源に近い方が明るく、光源に遠い方が暗くなっているので、合成パスマスクができないことは、致命的な問題にはならないと思います。
なお、光に色を付けたい場合には、マスクを描画したカラーライズモジュールを使用してください。描画マスクは、露光モジュールなので、作成したものを呼び出して使います。