レンズの画角の説明をする場合に、50㎜が人間の目の広がりにもっとも近いという説明がなされます。
50-55㎜が標準画角です。
ズームレンズの場合、一昔前は、広角側は換算28mmから始まっていましたが、最近では、スマホの影響もあり、24mmからの標準ズームが増えています。
今回は、犬の写真を例に、画角の説明をします。
写真1は、換算50mmです。この画角では、背景は、よくわかりませんが、犬の表情がよくわかります。
写真2は、換算30mmです。これは、単焦点レンズを使っていますが、ズームレンズであれば、換算28㎜とほぼ同じ画角です。背景が、よくわかります。写真2だけを見ていると、犬の表情もわかる気がしますが、写真1と比べると、細かな表情のデータが落ちています。
写真3は、換算24mmです。この場合には、背景がよくわかります。しかし、犬の表情は単調になってしまいます。
写真4は、換算35mmです。これも、単焦点レンズなので、中途半端な数字ですが、写真2とほぼ同じ画角です。
写真4は、写真2に比べると、被写体により近くまでよっていますので、顔は大きく、表情がよくわかります。しかし、広角レンズのため周囲が広がっています。
写真1と比べると、写真4では、犬の顔が少し変形して広がって、幅広になっています。
ですから、広角レンズで、近寄って撮影することはお薦めできません。
顔の形の変形が少ないのは、50㎜か、それより望遠になります。
人物写真は、80-120㎜で撮影することが多いのは、形のひずみを避けるためです。
換算90㎜で撮影すると形はきれいに写ります。ただし、適切な距離が、リードの長さを越えますので、犬の散歩の時の写真には使えません。
換算50㎜では、背景が一部しか入りません。しかし、背景がより広く入る換算30㎜の写真と比べて、どちらが印象深いかと言えば、換算50㎜に、軍配があがります。
昔から、50mm1本しか使わないプロもいます。例えば、木村伊兵衛氏はライカのSummilux 50mm/F1.4 ASPH. (470,000円)を使っていました。
実際に、比べてみると、換算50mm以外の画角で撮影しても、印象的な写真にはならないので、50mm1本は正解であると思います。