1)ゼレンスキーとプーチンの補足
類似の記事があったので、追加しておきます。
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[ローマ 1日 ロイター] - イタリアはロシアのウクライナ侵攻を受け、ロシア天然ガス大手ノバテクが主導する北極圏の液化天然ガス(LNG)生産事業への融資を停止しました。
米石油大手エクソンモービルは1日、ロシア・サハリン沖の石油・天然ガス開発事業「サハリン1」から撤退するため、操業停止に向けたプロセスを開始したと発表しました。
ロシアでの新たな開発事業に投資しないと表明しました。 [1日 ロイター] - コンサルティング会社スピアーズ&アソシエーツのバイスプレジデント、リチャード・スピアーズ氏は1日、米油田サービス会社について、ロシアから撤退しても、他の地域の収入で減収分を容易に補うことができるとの認識を示しました。 米油田サービス大手のシュルンベルジェ、ハリバートン、ベーカー・ヒューズは今週、ロシア事業に関するコメントを控えました。同氏によると、シュルンベルジェのロシアの売上高比率は全体の5─6%です。
同氏は、「シュルンベルジェがロシア事業全てを失ったとしても、世界各国で掘削・仕上げ作業が軒並み増えており、十二分に相殺できる。売上高の5%を失うかもしれないが、世界全体で20%の増収が見込まれる」と述べました。 ー------
つまり、世界では、ロシアの天然資源なしに、ビジネスをする方法を模索しています。
一方、日本国内は、以下です。
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首相は、燃料価格高騰対策として、まずはガソリン元売りに対して現在1リットル=5円の補助金を支給している「激変緩和措置」の大幅拡充を今週公表すると述べた。追加対策については「市場動向、ウクライナ情勢が不透明」として、今後の情勢次第で検討するとの考えを示した。
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エネルギー供給システムの再構築は、全く話題になっていません。
サハリン1は、継続利用を前提で、検討中で、止まっています。
2022/03/02のニューズウィークで、志葉玲氏がのべているように、「ロシアからの天然ガスの輸入停止」が、ウクライナの人々が日本に求めている最重要課題ですが、これには、こたえていません。
2)プーチン大統領の信念
2022/03/21のニューズウィークで、グレン・カール氏は、プーチン大統領は、汎スラブ主義のナショナリスト=ファシストだった哲学者イワン・イリイン(Iwan Iljin)の思想に動かされているといっています。イワン・イリインは、ムッソリーニとヒトラーの登場を礼賛していた思想家で、ロシアこそファシストが待望されていると説きます。プーチン大統領はイリインの真の継承者であると考えられます。
この問題は、ティモシー・スナイダーが、「自由なき世界 上:フェイクデモクラシーと新たなファシズム 2020/3/14 (原著The Road to Unfreedom: Russia, Europe, America, Tim Duggan Books, 2018)」で論じています。
プーチン大統領が、イリインの真の継承者であると考えているとすれば、バルト3国は、編入する予定になります。また、外交的な孤立が、政策変更に繋がる可能性は低いと思われます。
3)NATO参戦の可能性
戦争報道に、死亡事故はつきものです。日本人で、ピュリツァー賞の写真部門を受賞したカメラマンは3人いますが、そのうち、沢田教一と酒井淑夫は、ベトナム戦争を題材にしています。沢田教一は、カンボジアの内戦を取材中に死亡しています。
2月24日に始まったロシア軍によるウクライナ侵攻では、日本のテレビ局も民放2社がギリギリのところから中継を続けました。しかし、NHKのクルーはウクライナ国内に不在でした。 CNNは、1チーム15人くらいの編成で、少なくともウクライナに3チームを出しています。(2022/03/02 デイリー新潮)
ウクライナの外人部隊の応募に、70人の希望者がいるようです。意図は不明ですが、政府は、応募しないように働きかけています。
ベトナム戦争の頃とは、日本の社会が大きく変わってしまったように思われます。
2022/03/02のFNNプライムオンラインは、アメリカ国防総省の分析では、「首都5日以内陥落の可能性高い」 としていますが、これは、中立報道ではないので、問題があります。 この記事を読めば、ロシアが勝利して当然だと思ってしまいます。
この記事は、ロイターやCNNでは確認できませんので、出典も含めて、問題がある可能性があります。
さて、ウクライナは、善戦していますが、記事のように、いつまで、持ちこたえられるかは、不明です。
ロシアが、ウクライナを占領した場合には、プーチン大統領の信念がいきていれば、バルト3国とポーランドは直接的なロシアの圧力に面します。そのリスクを考えれば、この4か国は、現在でも参戦したいと思われます。しかし、それを止めているのはNATOです。NATOは、参加国の1カ国でも侵略を受ければ、共同で防衛する仕組みですが、逆に、1か国だけの判断での出兵はできません。ただし、今回は、EUも例外的に武器の供与に転じていますので、派兵についても、例外規定が使われる可能性はあります。それから、外人部隊であれば、NATO には抵触しません。 今後、仮に、ウクライナが絶望的に不利な状況になった場合には、例外規定が用いられる可能性が考えられます。
その条件は、キエフの陥落や、ベラルーシの参戦などです。これが、プランAです。
プランBは、ウクライナが完全にロシアに占領されるまで、NATOは何もしないというものです。 しかし、プランBはないと思います。
プランAが起こった場合には、バルト3国とポーランドが出兵する、あるいは、兵士に、無条件で、外人部隊への編入を認めるなどの形をとって、実質的な軍隊派遣がなされると思われます。
このような事態が生じた場合には、太平洋戦争での日本の敗戦時と同じことがおこるでしょう。ロシアの敗戦が確実になれば、極東でも、ロシアへの派兵が起こる可能性があります。9段線で中国との対立を抱えている国や、台湾は、派兵すると思われます。
日本は、ウクライナの外人部隊の応募に、細かな注文を付けていますが、NATOが出兵した場合には、外人部隊という形で、ロシアへ出兵するのでしょうか。
中国の立場は微妙です。当初は、戦争ではないといっていましたが、現在は、ウクライナから、中国人を非難させています。中国はリアリストですから、ロシアが敗戦確定になれば、ロシアへの派兵も考えていると思われます。
ここで、派兵しない国は、実利では、戦後の権益調整の会議に参加する資格を失うことになります。名誉では、民主主義の防衛戦に参加しなかった卑怯者になります。
どちらもマイナスですから、実戦力の大きさは別として、各国は、派兵したという実績作りに走るはずです。
Ivan Ilyin wiki https://en.wikipedia.org/wiki/Ivan_Ilyin
標的はバルト3国、「ユーラシア主義」から見えるプーチンの次の一手 2022/03/21 ニューズウィーク グレン・カール https://www.newsweekjapan.jp/glenn/2022/03/post-77.php
ロシア軍侵攻、ウクライナの人々は日本に何を求めているのか 2022/03/02 18:19 ニュースウィーク 志葉玲 https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/03/post-98193.php
ドイツがエネルギー政策を大転換 ロシアのウクライナ侵攻で 2022/02/28 ロイター https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-germany-energy-idJPKBN2KX0E3
イタリア、ロシア北極圏LNG事業に融資停止=関係筋 2022/03/02 9:51 ロイター https://jp.reuters.com/article/novatek-arctic-italy-idJPKBN2KZ02D
米エクソンモービル、サハリン1の事業を停止へ 2022/03/02 9:56 ロイター https://jp.reuters.com/article/exxon-sakhalin-idJPKBN2KZ02L
油田サービス会社、ロシア撤退でも減収分容易に補える=米専門家 2022/03/02 ロイター https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-oilfield-idJPKBN2KZ0AR?il=0
燃料高騰対策、追加策が必要な場合には予備費5000億円=岸田首相 2022/03/02 11:06 ロイター https://jp.reuters.com/article/%E7%87%83%E6%96%99%E9%AB%98%E9%A8%B0%E5%AF%BE%E7%AD%96-%E8%BF%BD%E5%8A%A0%E7%AD%96%E3%81%8C%E5%BF%85%E8%A6%81%E3%81%AA%E5%A0%B4%E5%90%88%E3%81%AB%E3%81%AF%E4%BA%88%E5%82%99%E8%B2%BB5000%E5%84%84%E5%86%86%EF%BC%9D%E5%B2%B8%E7%94%B0%E9%A6%96%E7%9B%B8-idJPP8N2UP01C?il=0
【独自】「首都5日以内陥落の可能性高い」 アメリカ国防総省が分析 2022/03/02 FNNプライムオンライン https://www.fnn.jp/articles/-/323460
「義勇兵」募集、自制促す 政府 2022/03/02 JJI.COM https://news.yahoo.co.jp/articles/10121dc16ea413e11c2c3541f2b18733f7b25e7a
「ウクライナ侵攻報道」NHKは内部から「腰が引けすぎ」と批判…際立つCNN女性記者の“ジャーナリスト魂” 2022/03/02 デイリー新潮 https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/dailyshincho/world/dailyshincho-831888 NATO=北大西洋条約機構がウクライナに侵攻したロシアの脅威に対抗するために派遣を決めた「即応部隊」が東欧に到着しました。
再三の米要請、中国拒否か ウクライナ危機回避の対ロ説得―報道 2022/02/26 JIJI.COM https://www.jiji.com/jc/article?k=2022022600454&g=int
中露間に隙間風――ロシアの軍事侵攻に賛同を表明しない習近平 2022/02/29 中国問題グローバル研究所 遠藤誉 https://grici.or.jp/2945
中国人の安全確保を 王氏、ウクライナ外相と電話会談 2022/03/01 23:27 JIJI.COM https://sp.m.jiji.com/article/show/2713905
ウクライナ、中国にロシアの侵攻阻止要請 外相会談で 2022/03/02 00:11 ロイター https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-china-kuleba-idJPKBN2KY4T5
中国、ウクライナ民間人の保護を訴え-ロシアへの姿勢に変化か 2022/03/02 2:54 Bloomberg https://news.yahoo.co.jp/articles/5d658595798804a0cdf3cd87b5566ef45e7e7925
ウクライナで中国人の集団出国開始 勧告出さず、後手の対応 2022/03/02 7:07 JIJI.COM https://news.yahoo.co.jp/articles/c1574eb80717247ff62947f8594cdd78a09802f6
コラム:ロシア対応「綱渡り」の中国、制裁の火の粉浴びる危険も 2022/03/02 ロイター https://jp.reuters.com/article/china-russia-breakingviews-idJPKBN2KZ05K
NATO即応部隊の仏軍が東欧に到着 2022/03/02 06:48 TBS NEWS https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye6005402.html