北京オリンピックの女子フィギュアスケートの報道とウクライナ問題

北京オリンピックの女子フィギュアスケートが、昨日(2022/02/17)に、終わりました。

日本人の坂本 花織さんが、銅メダルを獲得しました。 ドーピング疑惑のワリエワさんは、第4位、男子と同じレベルの最高難度のジャンプをノーミスで演じたトルソワさんは、2位でした。

ところで、驚くべきことは、WEBのニュースでは、金メダルのシェルバコワさんがヒットしないのです。

検索で、到達するのに、3分以上かかりました。

これは、採点にバイアスがあったという疑惑もありますが、オリンピックの順位というフレームワークが機能していないことを意味します。

ロシアは、ドーピング問題で、国としてのオリンピックへの参加が、認められていませんが、ROCとして、参加していますので、TVの視聴者としては、ロシアとしての参加と映像を見ている上で差はありません。

そう考えると、ドーピング問題のロシアをROCに切り替えた、処遇は、IOCが問題を回避しているといえます。

この問題は、オリンピック以前の世界選手権でも同じで、2020-21シーズンでは、女子フィギュアスケートの上位3位は、ロシア・フィギュアスケート連盟になっています。

なお、各国(地域)の出場枠は、種目ごとに、前年の世界フィギュアスケート選手権での順位ポイントによって決定されることになっています。

つまり、「各国(地域)」とは、何かが問題になります。

ROCに焦点をしぼれば、本来は、ロシアは、ドーピング問題で、参加資格を失ったはずです。

個人としての選手の参加資格問題は、国(地域)とは、別であるべきだというのであれば、国別枠を廃止して、国旗の掲揚はしないことになりますが、その問題は、ここでは脇において、国ありきで考えれば、ROCは、ドーピング問題のルールを破って、実質参加しています。

つまり、国という脇組は、都合の良いときにだけ使う便利な仕切り線です。

そう考えると、問題の根底には、ウクライナ問題と共通するロシア流の交渉術が、あらわれていることがわかります。

オリンピックでは、スター選手とTVの視聴率を材料に、ドーピング問題を一時的に、検討外においています。

ウクライナ問題では、ウクライナNATO加盟という内政問題に、国を越えて干渉することが目的と思われます。

取引材料は、天然ガスと石油になります。

常識的に考ええれば、ドーピング問題があれば、競技には参加できないはずですが、とりあえず、今回は、グレーゾーンに押し返すところまでは、成功しています。

ワルシャ条約機構はないので、ウクライナも、一国にNATO加盟に、ロシアが介入することはありえません。しかし、ロシアは、クリミアの併合において、本来はできそうもないことを半分実現しています。ミンスク議定書、ミンスク2の問題があるからです。

問題は、NATO側に、ロシアの戦争活動を停止させる切り札があるように、見えないことです。

太平洋戦争のときに、日本は、中期的に、戦争で勝てる見込みはありませんでした。しかし、そのことが、参戦への歯止めにはなりませんでした。

同様に、ロシアの経済状態をみれば、中期的に、戦争で勝てる見込みはありません。しかし、そのころは、開戦にたいするはどめにはなりません。

ロシアは、第2次世界大戦後の大国の地位を経済的には既に失っています。しかし、軍事力と宇宙開発で、かろうじて、大国の地位を保っています。

経済的には、その立場が維持できるているのは、天然ガスと石油の収入です。

今後、太陽光発電が採算がとれるようになれば、その独占的な利益は失われます。

明かに、現在は、転換点にあり、ロシアは、その最後のチャンスを活用しているように、見えます。

世界フィギュアスケート選手権 wiki https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%AE%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88%E9%81%B8%E6%89%8B%E6%A8%A9