東京都のPCR検査の性質~コロナウィルスのデータサイエンス(108)

東京都のPCR検査の性質

東京都のPCR検査のデータは、更新される時期が、不安定なうえに、過去の遡ったデータの修正が行われるのでやっかいです。

GoToキャンペーンは混乱の極みになっています。東京都をはじめとする自治体はワーニングは出しますが、具体的な対策は見えません。ただし、東京都のデータを見る限り、感染拡大は、ここ1週間ほど足踏み状態なので、対策をして、ある程度の効果は出ていると考えています。

図1は東京都の陽性率と陽性者数(7日移動平均)です。PCR検査と少数の抗体検査を合わせています。

データを最新(7月18日)のものに変えたので、グラフの形が少し変わっていますが、大筋では変化はありません。陽性率2%(縦軸)、陽性者数30人(横軸)から、陽性率と陽性者数が共に増加し続けていたのが、ここ1週間は陽性率6%、陽性者数140人でとどまっています。

図2は、東京都の検査数(右軸:人)、陽性者数(左軸:人)、感染者数(左軸:人)を示しています。図2の感染者数はマスコミ公表の毎日の感染者数で、発表日より2日遡ってプロットしてあります。これは、最近では、検査が出てから、整理して発表するまでに、おおよそ2日かかるといわれているためです。感染者数(-2)のー2が2日ずらしていることを表しています。

クリーム色でぬった部分が土日になります。この部分では、検査数が減ります。7月17日は金曜日ですが、検査数が少なかったです。ということは、17,18,19日は検査数が比較的少ないとおもわれますので、2日ずらした7月19,20,21日に公表される感染者数は減るでしょう。7月10、11、12日も検査数が少なかったのですが、対応する感染者数は7月10日だけは減っていません。これは、7月6日の積み残しの効果と思われます。

更に、陽性者数と感染者数を比べると、7月1日から7月7日までは、概ね同じ大きさで推移しています。

一方、7月7日以降は、「感染者数>陽性者数」になる日が多くなります。7月6日をゼロにおいて、累積の積み越し(陽性者数ー感染者数(-2))をとると、7月16日の時点でー395人という大きな積み残しがでます。この原因はわかりません。ともかく、最近のデータでは、陽性者数と感染者数に大きな乖離があるという問題点を指摘しておきたいとおもいます。これは、PCR検査に入国審査の値が含まれていないなど、隠れ変数を考えないと、辻褄が合わないと思われます。

不安になったので、データの編集ミスの可能性についても、再度チェックしてみたいと思います。

 

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図1 東京都の陽性率と陽性者数



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図2 検査数・陽性者数・感染者数

 

 

  • 都内の最新感染動向

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