カラーバランスRGBは、darktable 3.6の新機能の中心をなすモジュールです。
したがって、darktable 3.6の新機能では、これを紹介しないわけにはいきません。
しかし、問題は、どうして使いこなすかです。ともかく、パラメーターが多数あります。
そこで、ここでは、まず、クイックアクセスパネルにでてくる4つのスライダーに焦点を当ててみます。
4つのスライダーは、バイブランス、コントラスト、クロマ、サチュレーションです。このうち、コントラストに悩むことはないので、残りの3つの違いを理解することがポイントになります。
要点解説の関連する部分は以下です。
マスタータブ
-
グローバルなバイブランス vibrance
これは、画像全体の色のクロマchromaのディメンションに影響を与え、クロマchromaの低い色を優先します。これにより、すでにカラフルなピクセルを誇張することなく、ニュートラルカラーのクロマchromaを上げることができます。
-
コントラストcontrast
この設定は、一定の色相hue とクロマchromaでルミナンスluminanceチャネルに適用されます。支点fulcrum 設定([]タブのコントラストグレー支点のcontrast gray fulcrum下)を使用すると、コントラスト曲線の中立点を設定できます。
支点では、コントラスト曲線によってルミナンスluminanceが変化しません。
支点の下では、コントラスト曲線は正のコントラスト値の場合はルミナンスluminanceを下げ、負の値の場合はルミナンスluminanceを上げます。
支点より上では、コントラスト曲線は正のコントラスト値の場合はルミナンスluminanceを上げ、負の値の場合はルミナンスluminanceを下げます。
支点のデフォルト値は18.45%です。これは、現在のシーン参照ワークフローと一致しており、ほとんどのユースケースに適合するはずです(モジュールを使用して推奨されるようにグローバルブライトネスbrightness が修正されていると仮定)。
コントラストアルゴリズムは、アナログフィルムのコントラスト曲線の中央部分を模倣した自然な結果をもたらします。ただし、画像のダイナミックレンジも拡大するため、パイプ内のフィルミックRGB filmic設定が無効になる可能性があります。グローバルコントラスト調整には、通常、モジュールを使用する必要があります。カラーバランスRGBのコントラストスライダーは、前景または背景の選択的な補正など、マスクとともに使用するのが最適です。
線形クロマchromaグレーディング
線形クロマchromaグレーディングは、一定の色相hueとルミナンスluminanceで、入力値に比例してクロマchromaのディメンジョンに影響を与えます。これは、フラットな係数(グローバルクロマglobal chromaを使用)、およびシャドウ、ミッドトーン、ハイライト マスク([]タブの[輝度範囲]で定義)のそれぞれで、グローバルに実行されます。
知覚サチュレーションsaturation グレーディング
知覚サチュレーションsaturation のグレーディングは、一定の色相で、入力値に比例して、知覚空間のルミナンスluminance とクロマchromaの両方のディメンションに影響を与えます。これは、フラットな係数(グローバルサチュレーションsaturation を使用)、およびシャドウ、ミッドトーン、ハイライトマスク([]タブの[ルミナンス範囲luminance ranges]で定義)のそれぞれで、グローバルに実行されます。
次に、色空間の座標系を復習しておきます。
写真1と写真2に色空間の軸の取り方が示されています。
次の2つの組み合わせがあります。
-
クロマ+ライトネス
-
サチュレーション+ブリリアンス
次に、実際に、バイブランス、クロマ、サチュレーションを変えてみます。
題材は、つつじの花です。ピンクのつつじの花ですが、色を鮮やかにすると、不自然な色合いになることが多い素材です。
ここでは、スナップショットをつかって、左が、スライダーの値がゼロの場合、右が変更した場合です。
写真3は、バイブランスをプラスに振っています。
写真4は、クロマをプラスに振っています。
写真5は、サチュレーションをプラスに振っています。
バイブランスは、「すでにカラフルなピクセルを誇張することなく、ニュートラルカラーのクロマchromaを上げることができます」と書かれていますが、いろが、不自然に派手になることはありません。
写真1と写真2を見れば、確認できますが、クロマとサチュレーションの軸は45度ずれています。
サチュレーションの方が、明暗の変化をより強く伴っています。
写真4と写真5を比べると、写真5の方がピンクが鮮やかですが、不自然でもあります。
正解は、写真3または、写真4と思われます。
今回はここまでです。
前の記事
次の記事