(勉強部屋)をつくっても(勉強ができるようになる)わけではない

デジタル庁についで、子ども庁をつくる話が出ているようです。

この問題は、基本的に、今回のタイトルに上げた「(勉強部屋)をつくっても(勉強ができるようになる)わけではない」というのが筆者の視点です。つまり、(勉強部屋)と(勉強ができるようになる)の()の中の単語を入れ替えれば次になります。

「(デジタル庁)をつくっても(デジタル化が進む)わけではない」

「(こども庁)をつくっても(少子化対策ができるようになる)わけではない」

その理由は、説明するまでもないでしょう。逆に、「(勉強部屋)をつくれば、(勉強ができるように)なる」と言えるのであれは、世の中に難しい問題はないと思います。でも、それは、ありえません。

なお、改正高年齢者雇用安定法が4月に施行され、「企業に70歳までの就業機会の確保」が求められています。この法律は、明らかに少子化を促進する(少子化対策に逆行する)ものです。

最大の課題はジョブ型雇用です。IT技術は、10年もしないうちに大きく変化します。つまり、IT化を考えれば、仕事ができる、できないは、最長でも10年毎に評価しなおす必要があります。勉強しなおせば、再チャレンジの機会があるのです。ジョブ型雇用であれば、勉強した後で、転職することで、再評価を受けることができます。ジョブ型で、まともな労働市場ができれば、派遣などの不定期雇用の賃金が、正規社員より安いという、経済学では説明できない現象もなくなります。「企業に70歳までの就業機会の確保」は、ジョブ型雇用を否定していますから、女性の賃金を押さえ、少子化を促進し、IT化を遅らせます。そもそも、ジョブ型では、年齢は、人種などと並んで、採用時に聞いてはいけない項目です。年齢・ジェンダー・人種に関係なく、一人一人の働きに応じて、賃金が支払われないと、学習するインセンティブがなくなり、IT化についていけません。