カラーキャリブレーションとJpeg

今回は、カラーキャリブレーション・モジュールの忘備録です。

レイチェル・カーソンの「沈黙の春」(Silent Spring)は、環境汚染で、春になっても小鳥がさえずらないという意味のタイトルです。今年の梅は、一部の開花が早く、また、開花がそろっていません。いつもは、梅の花が咲くと目白がたくさん来て、花の蜜を吸います。今年の目白の数は、少なくて、半分ほどSilent Springになっています。このため、今回使った写真は、1年前に撮影したものです。

梅の蜜が好きな鳥は、目白です。梅にウグイスはフィクションで、その組み合わせの写真は普通は撮れないようです。梅に目白の写真では、鳥の緑色の再現が難しいです。Wikiを見ると、目白もウグイスも、鮮やかな緑色はしていません。鳥の色は、保護色も兼ねていますから、木の葉の緑と変わらない訳です。

しかし、花札の「梅にウグイス」のウグイスは、綺麗な緑色をしています。そこで、この場合には、「自然は芸術を模倣する」という法則が働いて、本当の目白はもっと鮮やかな緑のはずだとなります。しかし、無い袖は振れないので、写真の緑色の範囲で、納得できる色に仕上げたい訳ですが、これが、難しいです。さらに、今回の画像は、望遠コンデジJpegで撮影したもので、編集の自由度も低いです。

2020年12月にバージョンアップしたdarktableには、新たに、カラーキャリブレーション・モジュールが追加されています。以前は、目白の緑色を、カラーバランスとカラーゾーン・モジュールを使って、調整していました。カラーキャリブレーションを使うと、目白の緑色は、このモジュールひとつで、うまく再現できます。こうした微妙な色表現には、カラーキャリブレーションは、最強のツールのようです。ただし、調整が外れることもありますから、その時には、ホワイトバランスだけに戻しています。今のところ、カラーキャリブレーションが外れる割合は、2、3割くらいです。

サンプルを示します。

写真1の目白は、左がとって出し、右がカラーキャリブレーション使用です。右の方が、梅の花の白と、目白の緑の色が改善されています。

写真2は、写真1の最終仕上げ画像です。

写真3は、写真1とは別の目白の最終仕上げ画像です。

共に、目白の緑は、派手ではありませんが、しっかりした質感になっています。

昨年に、掲載した目白の画像の緑色を、思い出すと、人工的過ぎて、恥ずかしくなります。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%B8%E3%83%AD

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%B0%E3%82%A4%E3%82%B9

 

 

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写真1 目白(左:元のJpeg、右:カラーキャリブレーション使用)

 

 

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写真2 目白(画像処理済み)

 

 

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写真3 目白(画像処理済み)