OSの更新と組織の更新を図で考える

今回の内容は、最初は、OSの更新と組織の更新を並べて、考えて問題点を抽出するものでした。

途中まで書いた原稿の一部は次のです。最初の3行は、「アマゾンに勝てる企業の条件」と同じです。


ベゾスが、CEOを退いたり、アマゾンが、DX(デジタルトランスフォーメーション)を広げたり、ここのところアマゾンの企業活動が注目されています。AppleGoogleも異業種に参入してきていて、経営コンサルタントは、老舗の企業に、対策を提案して、稼いでいるようです。

こうした場合、提案は、老舗の企業に理解できるように、古いエコシステムに合わせて行われますので、実際には、効果がありません。これは、IT企業が、新バージョンのOSで活動しているのに対して、老舗企業は古いバージョンのOSを引き続き使いたい、OSの切り替えは大変なので、当面は、今のままでいきたいというのに対して、経営コンサルタントは、古いOSでもなんとかなりますよと言っているようなものです。一方のIT企業では、クラウド対応の新しい(今の基準では普通)のOSを使っていますから、OSをバージョンアップしても、データを変換する必要はありませんので、ほとんど、コストをかけずに、次々とOSの更新ができます。一方の老舗の企業が、OSのバージョンアップを避けたいというのは、データのバックアップをマニュアルで作成して、膨大な作業とコストがかかるためです。レガシーのOSを延命して使ってきたツケがきているのです。


この続きを、書き足そうと思ったのですが、前に書いた原稿の変奏曲になりそうなので、考え方を変えて、次の方針に変更しました。

正解は提示しないで、ツールを提示する。

つまり、無理をして、答を出すのではなく、ツールを提示して、使ってもらえばよいのではないかと考えなおしました。

そこで、文章で途中まで書いていたことを、図1に、比較図にしてみました。これは、1例で、要するに、進歩による世代交代の実態のわかりやすいパソコンのOSを基準に、他の項目の世代交代を並べてみれば、問題点や到達レベルが、一目で理解できるだろうといういうアイデアです。(注1)詳細は説明するより、図をみて考えてもらう方が、早いと思います。バリエーションはいろいろできるので、ここでは、文書と教科書の例を作ってみました。これは、ツールですから、記載がおかしいと思えば、どんどん修正してもらってかまいません。要するに、文章にするより、端的に問題点の整理ができればよいわけです。

最近出た、デジタル教科書の専門家の答申も、この図の教科書の列に載せてみれば、内容は2行目で、3行目と4行目には全く踏み込めていないことが、すぐに、わかります。こうした事例では、文章で説明するより、ずっと簡単になります。

注1:

図1の一番左の列は、基準となる技術の世代交代です。世代交代がわかりやすければ、OSにこだわる必要はありません。

 

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図1 OSの更新と組織の更新