浄月庵(長野県軽井沢町)~つくば市とその周辺の風景写真案内(287)

浄月庵(長野県軽井沢町

浄月庵は有島武郎別荘で、タリアセンに隣接する軽井沢高原文庫の別荘のひとつです。

軽井沢高原文庫という名称からは、図書館がイメージされますが、図書館の本館以外に、3つの別荘と2つの石碑から構成されています。昭和60年(1985)8月に開館した軽井沢高原文庫を構成する施設は以下です。

  1. 本館

  2. 堀辰雄1412番山荘

  3. 野上弥生子書斎“鬼女山房”

  4. 有島武郎別荘“浄月庵”

  5. 立原道造詩碑

  6. 中村真一郎文学碑

このうち、堀辰雄1412番山荘は、後年、画家の深沢省三、深沢紅子夫妻が夏の別荘として使用しています。深沢紅子の関連施設として、タリアセンの中に深沢紅子野の花美術館があります。このため、軽井沢高原文庫の入場券は、軽井沢タリアセン・ペイネ美術館・深沢紅子野の花美術館入館を含む共通券になっています。なんともややこしい関係です。

さて、話を浄月庵に戻します。浄月庵は木造二階建ての和洋折衷風の建物です。この建物は父の有島武が明治末期に建て、父の死後、有島武郎が譲り受けています。有島武郎は1916年(大正5年)から1922年まで夏を過ごしています。代表作「生まれ出づる悩み」は大正7年に、この別荘で生まれています。有島武郎は1923年(大正12年)6月に雑誌記者波多野秋子とここで情死しています。

この建物は、三笠ホテルで知られている軽井沢町三笠にありましたが、1989年(平成元年)に軽井沢高原文庫に移築保存されています。ちなみに、三笠という地名は三笠ホテルから来ており、wikiによれば、「三笠ホテルという名称は、敷地前方の愛宕山奈良県三笠山に似ていることから、有島生馬、里見弴、山本直光によって付けられたという。 」そうです。有島生馬は、有島武郎の弟です。三笠ホテルの設計者は牛久シャトーで紹介した岡田時太郎です。ということで、浄月庵が建設されたときの地名は三笠ではなかったと思われます。

写真1が、浄月庵で、現在は、喫茶店になっています。道路わきの斜面に移築されているので、元の地形も斜面であったと思われます。2階建てですが、2階部分は、三角屋根に半分埋め込まれた構造になっています。

 

  • 軽井沢高原文庫

http://kogenbunko.jp/

軽井沢高原文庫 wiki

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%BD%E4%BA%95%E6%B2%A2%E9%AB%98%E5%8E%9F%E6%96%87%E5%BA%AB

有島武郎別荘「浄月庵」

https://www.town.karuizawa.lg.jp/www/sp/contents/1001000000807/index.html

https://www.town.karuizawa.lg.jp/www/contents/1001000000807/index.html

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A7%E4%B8%89%E7%AC%A0%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB

 

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写真1 浄月庵