堀辰雄1412山荘(長野県軽井沢町)~つくば市とその周辺の風景写真案内(289)

堀辰雄1412山荘(スミス山荘)(長野県軽井沢町

堀辰雄1412山荘(スミス山荘)は、タリアセンに隣接する軽井沢高原文庫の別荘のひとつです。

堀辰雄は、1934年(昭和9年)9月に、画家の矢野綾子と婚約します。しかし、2人とも結核にかかり、1935年(昭和10年)7月に八ヶ岳山麓の富士見高原療養所に2人で入院しますが、病状が悪化した綾子は12月6日に死去します。この体験が、代表作「風立ちぬ」の題材となり、1936年(昭和11年)から1937年(昭和12年)に執筆されます。

堀辰雄は、1938年(昭和13年)4月に加藤多恵(堀多恵子)と結婚して、軽井沢に別荘を購入して新居にします。

というわけで、「風立ちぬ」で有名な堀辰雄ですが、この別荘は、堀多恵子との新婚生活を始めた場です。

堀多恵子は次のように書いています。


昭和十六年の春求めたこの山小屋には、四年続けて初夏から秋にかけて過した。軽井沢でも古い建物のひとつに数えられている。大正七、八年頃、アメリカ人スミスさんの所有となり、戦争で帰国することになって、私たちが譲り受けた。よく燃える暖炉があり、墨で焚く風呂があった。厳しい冬を過すために追分に移ってから後、この山小屋には、戦争中住む家を失ったドイツの婦人が住んでいたこともあった。辰雄の没後、深沢省三・紅子画伯夫妻が大切に住んで下さったので、やっと今日まで持ちこたえて来たが、崩壊寸前で「高原文庫」のかたわらに「堀辰雄の愛した山荘」として移築され、残されることになったのである。 堀多恵子「私たちの家・家」より


 

写真1が、入り口をみたアングルです。家の前に、テラスがあって、ちょっと、西部劇に出てくる家を思い起こします。

写真2が、裏側(写真1の右側)の建物です。こちらからみると、和風のイメージがあります。

 

堀辰雄 wiki

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A0%80%E8%BE%B0%E9%9B%84

堀多恵子 wiki

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A0%80%E5%A4%9A%E6%81%B5%E5%AD%90

 

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写真1 スミス山荘

 

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写真2 スミス山荘