睡鳩(すいきゅう)荘(長野県軽井沢町)
睡鳩荘もタリアセンの別荘のひとつです。
睡鳩荘は、日銀・三井物産・三越・東芝・王子製紙等で重役を歴任した朝吹常吉が1931年に矢ヶ崎川の畔に建てた別荘で、娘のフランス文学者の朝吹登水子が亡くなる2005年まで使用していました。別荘は、没後に寄贈されて2008年にタリアセンに移築されています。"睡鳩荘”の名は、中国絵画の睡鳩の掛け軸を売却した代金で建てたことによります。設計は、H・ヴォーリズです。メンソレータムでも知られているヴォーリズですが、教会、学校関係の建築設計も多く、軽井沢では、亜武巣山荘 (あむすさんそう)も有名です。
タリアセンには、多数の別荘が移築されていますが、睡鳩荘が最も大規模で、見栄えがすると思われます。特に、塩沢湖に映える睡鳩荘の姿は、移築されたのではなく、もともとここにあったと思わせるほど、周辺にマッチしています。
写真1は、湖畔に映える睡鳩荘です。
写真2は、写真1とは反対に、陸側から見た睡鳩荘です。写真1では、上部がのぞいている煙突が大きく見えます。睡鳩荘は煙突が2本ある建物です。Panasonicの 建築設計レポートには、間取り図がのっていますが、この煙突は1階の台所と風呂(五右衛門風呂)に使われています。
写真3が、1階の広間(居間兼食堂)です。奥の暖炉が、写真1の右側の煙突につながっています。コンクリートの部分は、土台と煙突周りだけのようです。
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Panasonic 建築設計レポート
http://133.254.11.147/ls/solution/report/archi/vol22/adr22_21_22.pdf
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