夏の家(長野県軽井沢町)
夏の家もタリアセンの別荘のひとつです。
夏の家は、建築家アントニン・レーモンドが1933年に設計・建設した設計者自身のアトリエを含む別荘です。夏の家は、軽井沢町内からタリアセンに移築して、美術館として利用されています。美術館は、1986年7月に開館し、- フランスの男性画家レイモン・ペイネ(Raymond Peynet(en:Raymond_Peynet)、1908年-1999年)の原画・版画作品などを展示しています。
アントニン・レーモンドの建築は、実は既に、以下で紹介しています。
イタリア大使館別荘記念公園(栃木県日光市)~つくば市とその周辺の風景写真案内(255)
もっとも、その時には、うっかり、アントニン・レーモンドの設計というコメントをつけ忘れています。イタリア大使館別荘は、1928年の設計なので、夏の家は、その5年後の設計になります。
タリアセンで夏の家の写真を撮ったのですが、今ひとつ、インパクトがありませんでした。しかし、wikiを見て、その理由が、わかりました。
写真1がWikiの夏の家の写真です。水辺のちょっと小高い所に建てられていて、特に、左の部分の窓が広く、開放的な建物になっています。夏というイメージにふさわしい建物です。イタリア大使館別荘は中禅寺を見下ろす斜面に建てられていましたが、夏の家からも、水辺が見えたのではないかと想像されます。
写真2と写真3が、タリアセンで撮影した夏の家です。写真2の水辺(塩沢湖)から見る夏の家は、木の後ろに半分うずもれたような位置にあります。そして、写真2ではもっとも大きな窓の部分は、雨戸でふさがれています。写真を撮影した時期が秋であって、夏ではなかったのが良くなかったのかもしれませんが、写真1のような開放感は感じられません。この印象は、写真3でも変わりません。写真1と写真2、3の印象の違いは、次の3点です。
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移設された地点が元の位置に比べ、水面に近すぎる標高である
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建物の周辺に木が多く、閉塞感がある
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移設には大きな費用がかかったと思われますが、もう少し、周辺に配慮していたら、ずいぶん印象が異なっただろうと思われます。
アントニン・レーモンド wiki