蓮池潭・龍虎塔(台湾・高雄)~つくば市とその周辺の風景写真案内(184)

蓮池潭・龍虎塔(台湾・高雄)

コロナウィルスで、遠くには出かけにくいので、ここでは、古い写真を取り出してみました。

写真1は、台湾の高雄にある蓮池潭です。2本の塔は龍虎塔といいます。

台湾の観光案内(日本語です)を引用します。

 

「蓮池潭風景区」から引用


蓮池潭の中でもっとも有名なスポットが「龍虎塔」です。ここは1976年に建てられた七階建ての塔で、龍と虎の形をした入口と出口があり、通路で繋がっています。内壁には勧世物語をモチーフにした「交趾陶」と呼ばれる陶磁器の装飾があります。塔は九曲橋と繋がっており、湖面に美しく映し出されています。龍虎塔を参観する際にはルールがあり、龍の口から入り、虎の口から出るようになっています。こうすることで福を得られ、凶を避けられると言われています。塔のてっぺんに登ると蓮池潭の美しい景色を360度見わたせます。


蓮池潭は農業用ため池です。面積は大きいですが、つくば市でいえば、洞峰沼などに相当します。蓮池潭をみて、考えさせられた点があります。

第1に、風景区としてのデザインです。龍虎塔は1976年に建てられていますから、つくば市でいえば、松見公園の松見タワーが公開された年です。龍虎塔は高雄を代表する世界的な名所になっていますが、松見タワーは茨城県内でも知られていません。どうして大きな差がついたかといえば、風景区としてのデザインにあるというのが筆者の意見です。蓮池潭風景区には複数の名所や施設がありますが、それらは有機的に結びついて、一つの大きな風景区としてデザインされています。

既に、建設が終わってしまったので、歴史のifになりますが松見公園、松見タワー、中央公園、エキスポセンター、さくら民家園、つくばセンタービルなどが、全体として、統一したテーマをもつ施設群になっていたら蓮池潭風景区に匹敵するような観光名所になっていたと思っています。つくば研究学園都市は都市計画のコンペでした。しかし、そこには、つくば市としてのアイデンティを示す全体を通すテーマがかけています。簡単に言えば、住宅展示場のような感じです。住宅展示場に行くと各社が粋をこらしたモデルハウスをたてています。そこには、隣と調整しようとか、隣と共通するテーマを持たせようという気は微塵もありません。モデルハウスは、常に、わが社が優れている証拠でなければならないと考えて設計されています。こうして、つくば市内の有名な建築を見ていくと、住宅展示場を見ているような、ある種のやりきれなさを感じます。有名な建築で、既に取り壊されたものもあります。旧桜支庁舎のように、現存してはいますが、取り壊し予定リストに入っているものもあります。これらの建築は取り壊されたらそれで終わりです。建築が風景区としてのデザインになっていないのです。龍虎塔も古くなれば、取り壊されるでしょう。しかし、取り壊して終わりではなく、何らかの後継の施設が建設されると思います。なぜなら、龍虎塔は風景区としてのデザインの一部になっていて、なくてはならないからです。

第2は、観光案内のWEBの問題です。コロナの前は、日本は「観光立国にする」、「インバウンドを増やす」などといっていました。しかし、蓮池潭風景区のサイトをみるとITのあまりの力の差に呆然とします。日本は、台湾に比べれば、完全にIT後進国です。もはや、普通のIT政策は無理なので、後進国向けのIT政策から始めるしか手がないと思いました。

 

f:id:computer_philosopher:20200925143254j:plain

写真1 蓮池潭・龍虎塔

蓮池潭

https://jp.taiwan.net.tw/m1.aspx?sNo=0003121&id=2149

蓮池潭風景区

https://khh.travel/Article.aspx?a=6891&l=3