darktable 3.2.1 の新機能(6)

フィルミックRGB_V4をためす

Aurélien PIERREさんのフィルッミクRGB_V4のYou tubeを見ると、今回のバージョンアップは、コロナウィルスの影響で、クリスマスに行うはずのメジャーバージョンアップの一部を前倒ししているそうです。

darktableは既に、多くの機能を取り入れていますので、今後のメジャーなバージョンアップは、RGBワークフローを除けばあまり多くない思います。マスクの性能アップは課題ですが、たぶん、レイヤー構造をとり入れないと操作が煩雑になると思います。つまり、インターフェースやKritaなどの関連ソフトとの相互乗り入れを考えると、大幅に改善すべき点はありますが、ちょっとした手直しでできる改良は、既に、かなり、済んでいます。

フィルミックRGB_4を使うメリットの一つは、ハイライト復元がフィルミックRGBに含まれている点です。今回は、これを使ってみます。白飛びの復元は、飛んでいるところを周囲のデータを使って、補間するので、白飛びの状況によって、復元の難易度が大きく、異なります。ここでは、PIERREさんが例にあげている場合と同じ、空の白飛びの復元をしてみます。

写真1がサンプル画像です。

写真2では、同じサンプル画像の白飛びしているところをdarktableのRAWのチェッカーで表示していますが、空の部分が飛んでいます。青と、赤がでていますが、緑がでていないので、緑色のセンサーのデータは、飛んでいないものと思われます。

なお、以下では、露光モジュールを使っていませんが、新しいフィルミックRGBモジュールには、露光調整機能を含ませず、露光は露光モジュールで調整する設計思想ですので、特に、断りがない場合でも、画像が見えにくいようであれば、露光モジュールを使ってください。

写真3がフィルミックRGBモジュールのパラメータ設定サブメニューです。PIERREさんのお勧めは、「use cumsome middle-gray values」をオフにする方法なので、このチェックが入っていれば外します。

写真4がフィルミックRGBモジュールのシーン設定サブメニューです。ここで、白と黒の相対露出パラメータを調整して、画面を見ながら、カーブの形を決めます。ここで、必要であれば事前に露光モジュールで露光を調整しておいてください。

写真5がフィルミックRGBモジュールのリカバリー設定サブメニューです。ここでは、マスクのスイッチ(̻四角に黒丸)をオンにしておきます。次に、閾値(Threshhold)のスライダーを左に動かして、空の部分にマスクを作成します。

写真6もフィルミックRGBモジュールのリカバリー設定サブメニューです。ここでは、マスクのスイッチ(̻四角に黒丸)をオフにします。こうすると、マスクではなく、ハイライト補正の結果が表示されます。

写真7はカラーバランスモジュールです。ハイライトとミッドトーンの色を調整します。まず、ハイライトを空が青くなるように調整します。このままでは、植物の緑も水色がかるので、ミッドトーンで、植物が緑色になるように調整します。

 

 

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写真1 サンプル画像

 

 

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写真2 サンプル画像(白飛び)

 

 

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写真3 フィルミックRGB(オプション)

 

 

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写真4 フィルミックRGB(シーン)

 

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写真5 フィルミックRGB(復元)

 

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写真6 フィルミックRGB(復元)

 

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写真7 カラーバランス