筑波司法会館
司法会館という名称は、法律事務所を想定した、貸しオフィスと思われます。
空き家が多く、テナント募集になっているので、いつまで存続できるか不明です。
ちょっと、紹介すべきか、考えたのですが、つくば市の場合には、学園都市建設の時と、バブルの頃に建てられた建築が多く、既に取り壊されて、建て替えになっているものもありますが、多くは、今後の維持管理が問題になりそうです。ですので、ある意味では典型例と思い、紹介することにします。
この建物は、つくば建築フォトファイルに内藤彰設計として紹介されています。
「内藤彰」氏は旧桜村の村舎など桜村の公共建築を手がけています。
しかし、「内藤彰」氏について調べてもよくわからない点が多いです。
「内藤彰建築設計研究所」と「のあ設計事務所」が検索でかかります。
おそらく、つくば建築フォトファイルで言っているのは、内藤彰建築設計研究所だろうとおもいます。
筑波司法会館の竣工は1986年12月です。
「のあ設計事務所」のHPでは、「TACのような組織を目指して、先ずは内藤彰建築設計研究所と、坂野侃のTRS設計事務所とが合体して1973年にNOAが作られました。」とあります。ですから、1973年までは、内藤彰建築設計研究所があり、その後、「のあ(内藤彰建築設計研究所)」というように、入れ子の組織になったと考えるのが自然です。1986年頃に「のあ(内藤彰建築設計研究所)」が筑波司法会館を設計したと思われます。現在の「のあ」は2012年入社の堀越泰樹氏が2013年に代表取締役になっています。詳しい経緯は不明ですが、おそらく代替りしたのでしょう。
写真1は、筑波司法会館の正面で、「大成ビル筑波司法会館」と書かれています。
写真2は駐車場側からの景観です。テナント募集とあるので、空き部屋があることがわかります。
写真3は回廊側の景観です。貸しオフィスですが、ちょっと、アパートみたいなつくりです。
床に四角いマークがありますが、写真2の三角屋根に対応しているデザインと思われます。
写真4はエントランスを内側からみたところです。一部が、自転車置き場になっています。
写真5は三角屋根を内側から見たところです。黒い立方体の機能は不明です。
写真6は写真2とは反対側の時の公園側の建物です。
コンクリートうちっぱなしというのは、古い東京文化会館が最初の意匠と思います。
筑波司法会館もうちっぱなしデザインのように見えますが、外装については、既に、築34年になるので、塗りなおさないと、ほころびが目立っています。
これに限りませんが、つくば市内の建築や公園で30年以上経過して、補修ができてない施設は多数あります。特に、木造は見てくれだけでなく、強度が不足して厳しい場合が多いです。
つくば建築フォトファイル
http://tsukuba-arch.org/?page_id=12