ハイスピードシンクの説明からはじめます。
シャッター速度が1/200secより速くなると、先幕と後幕の間の隙間が受光体の上を、1/200sec程度かけて移動するため、ストロボが同期しなくなります。この対策に、隙間が移動する間に、ストロボを何回も発行させる方法があります。これをハイスピードシンクといいます。
ハイスピードシンクには、ハイスピードシンクに対応したストロボをカメラが必要になります。
したがって、内部ストロボでは、ハイスピードシンクは不可能です。
後で示しますように、シンクロ写真の使い方のマニュアルは貧弱です。最短は、自分で試してみることと思います。
ストロボの魔術師といわれているイルコさんのyou tubeで、「CanonからSonyにカメラを乗り換えた理由」という内容があり、「Canonは後幕シンクロができない」といっていました。
Kiss Mでは、内部ストロボの設定で、「後幕シンクロ」を選ぶことができます。
一方、外部ストロボの設定では、「後幕シンクロ」を選ぶことができません。
イルコさんは後者のことを指していると思われます。内部ストロボより、外部ストロボの自由度が低いということは、ちょっと、考えにくいのですが、実際、そうなっています。
なお、コンデジは、フォーカスプレーンシャッターではなく、レンズシャッターのため、同期速度の制限をうけません。
Kiss Mの内部ストロボの場合
Kiss Mには内部ストロボがついています。EMマウントでは、内部ストロボがついている機種は少ないので、例外的な扱いになります。
内部ストロボをオンにしますと、シャッタースピード優先では1/200secより、シャッター速度を短くすることができなくなります。つまり、ハイスピードシンクロはできないことになります。
外部ストロボが手元になかったので、この続きは、別の日に行います。
P330の場合
コンデジの場合には、レンズシャッターを採用しているので、シンクロの上限のシャッター速度はないと思われます。そこで、手もとにあるコンデジP330でためしてみました。この機種は手持ち夜景が撮れることがセールスポイントで、4モードが入っているセレクターに単独の手持ち夜景モードがあります。ですので、夜景におけるスローシンクができることがセールスポイントの機種になります。
ストロボのモードは、内部ストロボを起動させると、次のモードから選択できるようになります。
オート、赤目、強制、スローシンク、後幕
そこで、このうちから、強制、スローシンク、後幕を試してみます。
なお、P330のシャッター速度は最速で1/2000secです。
テストした日は、快晴に近い日の13時ころです。プログラムオートではシャッター速度は1/1000secになります。
ここでは、シャッター速度優先で、内部ストロボの効果を見ました。
1/160secの場合
このシャッター速度は、スローシンクで、同期させる一般的な範囲にあります。
強制、スローシンク、後幕のすべてでストロボが働きました。
最初はストロボなしの場合です。1/160sec、F5.0.ISO80、5mmです。
ストロボありの3枚のうち、スローシンクと、後幕はあまり差が大きくなかったので、ここでは、スローシンクの場合を示します。
1/160sec、F8.0、ISO80、5mmです。
1/1000secの場合
レンズ交換式カメラであるKiss Mは、この速度では、内部ストロボを発光させることができません。
P330では、強制、スローシンク、後幕のすべてでストロボが働きました。
最初はストロボなしの場合です。1/1000sec、F1.8.ISO80、5mmです。
ストロボありの3枚のうち、スローシンクと、後幕はあまり差が大きくなかったので、ここでは、スローシンクの場合を示します。
1/1000sec、F5.0、ISO80、5mmです。
結果的には、1/1000secの方がよく写っています。
1/1000secをスローシンクというのも変ですが、コンデジの場合には、ハイスピードシャッターでも、スローシンクが可能になります。