EF-M用のSigma16mm1.4 DC DNを買いました(その6)

前回のつづきです。

今回は、KissMとレンズとしては、Sigma16mmF1.4のほかに、標準キットレンズである15-45mmと広角ズームの11-22mmと便利ズームの18-150mmを持って旅行で使ってみました。

このうち、11-22mmは前回の旅行でも携帯して、使用しています。過去の旅行で、フランスの都市は道路の狭いところがおおく、換算24mmでは、教会などの高さの高い建物の全景を入れることができず、広角が必要になることを確認しています。ただし、広角は、人物を入れたスナップには、向いていません。ですので、いつ、広角に切り替えるかがポイントになります。EosのM3も持っているので、2台体制で、使いわける方法もありますが、旅行日程にあった、パリの治安が悪いので、荷物を減らしたかったのが、1台にした理由です。ちなみに、パリ市内では、便利ズームまたは、標準キットレンズのいずれかで1日を過ごしました。

便利ズームは、換算28mmになるので、多くの場合には、全景を入れることをあきらめることになります。

画角からいうと、16mmは14-45mmと11-22mmと被るので、あまり出番がないところが使いにくい理由です。

 

夜の写真は難しいこと

前回に例示した写真では、夜の写真は、上手くいっていません。特に、4枚目の写真は破綻しています。3、4枚目の写真では、Kiss Mであれば、「長秒時露光のノイズ低減」をオンにすべきであったかもしれません。

しかし、ここまで暗い夜になると、カメラのセレクターが見えないので、それどころではありませんでした。スマホのライトもありますが、利便性から言えば、懐中電灯は必須と思いました。

また、ライトアップ写真を撮ることを想定していましたが、ライトアップでは、周辺の光量が大きく影響します。例えば、東京駅のライトアップでは、駅周辺にも大量の光があり、対象物の東京駅だけが、極端に明るいわけではありません。しかし、今回は、ライトアップされた対称の修道院以外には、光がほとんどなく、ダイナミックレンジが非常に大きく、難しい写真になりました。

スローシンク写真

旅行のスナップ写真では、夜景に人物を入れるスローシンクと昼間に逆光で人物を入れるスローシンクの2つが、撮影に難しい場面になります。

旅行用にデジカメを購入し、スマホよりきれいな写真を撮りたいと思っていある場合には、事前にスローシンクについて、練習しておくことを勧めます

シンクロ撮影では、手前の人物は、ストロボの光を使い、背景は、周辺光を使います。ストロボの発光時間は、1/1000から1/5000程度で、発光時間を調整することはできません。TTL対応であれば、発光強度は調整可能と思われます。いずれにしても、ストロボに対して、シャッタ速度は息がなくなるので、手間での人物の露出は、絞りとストロボの発光量で調整します。こうしますと、シャッター速度が自由に使えるので、シャッター速度で、背景の露出を合わせます。

ストロボがカメラと同期するシャッター速度は、例えばキャノンの外付けスロトボ90EXでは1/200(KissMの場合、カメラ依存)から1/30(0r 1/60)secです。内部ストロボについては、ガイドナンバーが5である以外には、スペックの記述がありません。ちなみに、90EXのガイドナンバーは9です。外部ストロボは、基本的には、プログラム、絞り優先、シャッター速度優先、マニュアルの4つのモード(以下4モードという)で使うことを前提にしています。おそらく、この4つのモードであれば、異なるメーカーのストロボでも作動する可能性が高いと思われます。オートモードや、ポートレートなどのシーンモードでもストロボが使えます。内部ストロボは対応していると思われますが、外部ストロボがどこまで対応しているのかは不明です。というのは、大型の外部ストロボを利用するのはプロで4モードを前提にしていると思われるからです。

レンズ交換式カメラの場合、シャッターは、フォーカスプレインシャッターで、2枚のシャッター幕を移動させます。シャッター速度は、幕の移動速度ではなく、この2枚の幕の間の隙間が露光する時間になります。ですので、シャッター速度に関係せず、幕が移動するには、1/200sec程度の時間がかかります。逆にいうと、シャッター速度が1/200secより短くなると、センサーの受光している部分が、シャッター幕の隙間の移動に合わせて、移動します。この状態で、ストロボをたくと、ストロボがたかれた時間に、幕の隙間に面していた受光体には、ストロボの光が当たりますが、それ以外の受光体には、ストロボの光が当たらなくなります。ですので、シンクロできるシャッター速度の上限が生じます。シャッター速度が遅くなるので、スローシンクと呼ばれていると思われます。

夜には、光量が足りないので、シャッター速度が1/200以上になることは少ないので、ほとんどの場合に、スローシンク撮影は可能と思われます。

一方、日中の場合には、シャッター速度が大きくなると、背景の周辺光量が大きくなるので、ストロボが発光量で負けてしまい、上手くいかなくなることがあります。

シャッター速度が短い場合にも、シンクロ撮影でストロボを利用する技術がハイスピードシンクです。これは、次回に説明します。

なお、コンデジの場合、レンズ交換が不要のためレンズシャッターを採用していることが多く、シャッターの移動に伴うストロボの同期の上限はないようです。

まとめますと、レンズ交換式カメラで、昼間の逆光写真に人物を入れる場合に、ストロボで、補正をすることは出来ますが、その能力には限界があり、場合によっては、コンデジ以下になってしまうリスクがあります。

オートフォーカスのリスク

レンズの話ではないのですが、Kiss Mの瞳フォーカスについて、迷ったので、記しておきます。カメラは、基本4モードを使うものだと思っていたのですが、4モードでは焦点が合わなくなって、しばらく、オートモードを使っていました。オートモードでは、焦点が合うのです。故障かと思って、その後、リセットをかけたら、また、焦点が合うようになりました。

結局、焦点が合わなかったのは、瞳オートフォーカスのせいだとわかりました。瞳オートフォーカスをオンにしておくと、オートモードでは、瞳が見つからなければ、普通のオートフォーカスに切り替わるのですが、4モードでは、焦点が合わなくなります。これは、ファームウェアをアップしていないためかもしれませんが、ちょっと焦りました。

スマホとの比較

スマホには、ストロボはありませんが、LEDライトがついている機種があります。自分の使っている機種にもLEDライトがついています。LEDライトは、スローシンク代わりにつかうことができます。

この方法の長所は、スマホの画面に見えている写真が、撮影後と写真と一致するので、出来栄えを確認しながら撮影できることです。ストロボでは、結果を見ないとわかりません。

今回のツアーの参加者は25名でした。レンズ交換式カメラを持っている人が、5人程度、コンデジを持っている人が3人程度、カメラを持っている人も、食事の写真はスマホでとっていました。

添乗員さんに写真をとってもらうとき、カメラで上手くいかないとき、それでは、スマホにしまししょうかと、スマホに切り変えると、問題なく、写真がとれるのです。

自動撮影機能において、カメラよりスマホがはるかに勝っていると結論せざるを得ませんでした。

最近は、観光地が混んでいることが多く、撮った写真には、他の観光客が写っているのが普通です。

なので、パンフレットのような写真はとれません。また、移動しながらの撮影になるので、カメラでも、モード設定の調整時間が取れず、オートモードをつかった方がよい場合も多かったです。こうなると、カメラの長所は少なくなります。

さらに、とくに、パリのようなセキュリティに問題のある場所では、カメラを持っていること自体がリスクになるので、スマホにすべきと思います。

追記:

当初の内容に混乱とミスがあったので、大幅に訂正しました。

混乱のあったハイスピードシンクは次回に移動しました。

(11月12日)