レンズを巡る旅;下剋上(1)

レンズの物理性能は、次の条件の制約を受けます。

 

(C1)径の大きなレンズは、径の小さなレンズより性能がよい

 

(C2)ズームレンジが狭いレンズは、スームレンジの広いレンズよい性能がよい

 

(C3)構成するレンズの枚数が増えるとレンズは暗くなる

 

このうち、(C3)は、最近では、透過性能の高いレンズを使うことで、回避する努力がなされています。しかし、望遠レンズが暗くなるので、大勢では成り立つと言えます。

 

下剋上は、これらのヒエラルキールールがあてはまらない場合です。

 

EF=Mマウントの場合、レンズの直径は、ほぼ同一です。

 

したがって、単焦点レンズは、ズームレンズより良く写ります。

 

画角が合わなくて、シャッターチャンスを失うリスクを考えても、良い写真を撮りたい場合には、単焦点レンズを使います。

 

画質が多少犠牲になっても、画角が合わなくて、シャッターチャンスを失うリスクを減らしたい場合には、ズームレンズをつかいます。

 

このように、上記の3条件は、レンズ選択の上で重要です。

 

下剋上がおこるのは、次の2本です。

 

EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM

 

EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM

 

この2本のレンズの画角の18-45㎜は、重なっています。

 

EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STMのF価の変化は以下です。

 

F3.5:18mm~

F4.0:22mm~

F4.5:25mm~

F5.0:30mm~

F5.6:40mm~

F6.3:60mm~

 

45㎜の場合、EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STMのF値は、F6,3ですが、EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STMのF値は、F5.6です。

 

つまり、45mmでは、ズームレンジの広いEF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STMの方が明るくなっています。

 

実際に、18-45㎜では、EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STMの方が、EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STMより良く写ります。

 

つまり、15-18㎜の画角が必要な場合には、EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STMを、それ以外の場合には、EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STMを使うべきというにことなります。

 

EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STMは、便利ズームとしては、小型です。

 

とはいえ、EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STMの標準ズームの2倍くらいの長さがあります。

 

値段相応の写りと言えば、正しいのですが、下剋上になると、レンズの選択が困難になります。

 

せめて、EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STMより良く写る標準ズームがもう1種類あればよかったのですが、CANONは、販売しませんでした。

 

考えられる選択肢は、EF-S17-55mm F2.8 IS USMをアダプター経由でつかう方法ですが、流石に、使用頻度の高い標準ズームをアダプター経由で扱う気にはなれませんでした。