1)FDレンズの疑問:
FDレンズ(特殊低分散レンズ)は、色収差を押さえ、ボケを綺麗にします。
色収差は、凸と凹のレンズの組合せでも、減少できます。典型は、ガウス型レンズです。同様に、非球面レンズでも色収差はある程度は抑えられるはずです。
パナソニックのGレンズを素材ごとに整理すると以下になります。
ここでは、UED (Ultra Extra-Low Dispersion/特殊超低分散)レンズとED(Extra-Low Dispersion/特殊低分散)レンズを合わせてFDレンズと呼んでいます。
UHRレンズは、FDレンズではないようです。非球面レンズの特殊な場合と思います。
非球面レンズを使っていないのは、望遠レンズと魚眼レンズです。
これから、非球面レンズは、普通のレンジのレンズには必須なことがわかります。
望遠レンズとズームレンズでは、FDレンズは必須と思われます。
例外は、LUMIX G VARIO 45-150mm / F4.0-5.6だけです。
単焦点では、FDレンズを使っている場合と、使っていない場合があります。
単焦点で、FDレンズを使っているレンズは、LEICAブランドです。
例外は、LUMIX G FISHEYE 8mm / F3.5だけです。
FDレンズを使うとボケが柔らかくなります。なので、LEICAブランドに、FDレンズが多いのは理解できます。
しかし、LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7とLEICA DG SUMMILUX 25mm / F1.4 は、FDレンズを使っていませんので、FDレンズが必須とまでは言えません。
「安価な非LEICAブランドレンズ=FDレンズを使わないレンズ」になるので、表現は固くなります。
最近は、FDレンズの素材価格は下がっているので、高級品限定ではなくなっています。
問題は、この先です。
レンズの評価は、カメラ内Jpegで行われます。
darktableでRAW現像するのであれば、カメラ内Jpegとは異なった基準になるはずです。
また、LEICAブランドの単焦点レンズは、F1.2やF1.4ですが、LUMIX Gブランドは、F1.7か、F2.5で暗いです。ボケ量とシャッター速度に差ができます。
とはいえ、LUMIX Gブランドの方が小型で、安価です。
この小型の評価が問題です。レンズが大きくなれば性能がよくなります。
しかし、フルサイズに比べれば、全く優位にならない気もします。
オリンパスの12-100mmF4.0はよいレンズですが、片手では、操作できません。
つまり、12-100mmF4.0は、大きくて、重すぎると感じています。
写真1は、オリンパスの45mmF1.8で撮影しています。
ここでは、前景と背景をボカシて、中央の2つの花に焦点を合わせたいのですが、被写界深度が浅くなって、3つの花全てに焦点があっていません。
このランクの上のレンズは、42.5mmF1.2と45㎜F1.2になりますが、主題の被写界深度を取って、前後をぼかすことは、ランクの上のレンズでも容易ではありません。
オリンパスの45mmF1.8は寄れないので、工夫ができませんが、LUMIX G 42.5mm / F1.7なら、もっと寄れます。LEICA DG NOCTICRON 42.5mm / F1.2 より自由度は高いです。
パナソニックのレンズ構成
(1)非球面レンズを使用。
LUMIX G 20mm / F1.7
LUMIX G 14mm / F2.5
LUMIX G 42.5mm / F1.7
LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7
LUMIX G MACRO 30mm / F2.8
(2)非球面レンズとUHRレンズ(超高屈折率)を使用。
LUMIX G 25mm / F1.7
LEICA DG SUMMILUX 25mm / F1.4
LUMIX G VARIO 45-150mm / F4.0-5.6
(3)非球面レンズとUHRレンズとFDレンズを使用。
LEICA DG SUMMILUX 9mm / F1.7
LEICA DG SUMMILUX 12mm / F1.4
LEICA DG NOCTICRON 42.5mm / F1.2
LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0
LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7
LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-35mm / F2.8
UMIX G X VARIO 12-35mm / F2.8 II
LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7
LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm / F2.8-4.0
(4)FDレンズを使用。
LEICA DG ELMARIT 200mm / F2.8
LUMIX G FISHEYE 8mm / F3.5
LUMIX G X VARIO 35-100mm / F2.8
LUMIX G VARIO 45-200mm / F4.0-5.6 II
LUMIX G VARIO 100-300mm / F4.0-5.6 II
(5)非球面レンズとFDレンズを使用。
LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm / F2.8
LUMIX G VARIO 7-14mm / F4.0
LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6
LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0
LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6
LUMIX G X VARIO PZ 14-42mm / F3.5-5.6
LUMIX G VARIO 14-140mm / F3.5-5.6Ⅱ
LUMIX G VARIO 35-100mm / F4.0-5.6
LUMIX G X VARIO PZ 45-175mm / F4.0-5.6
LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3
2)EF50mm1.8
キヤノンのEF50mm F1.8といえば、5群6枚のガウス型レンズで、実用的な性能を備えた純正レンズでありながら非常に安価な製品で、撒き餌レンズとして有名です。
RFマウントに変わって、製造中止にになったので、レファレンス用に、中古を1万円で購入しました。
最新型のRF50mm F1.8 STMでは非球面レンズが使われていますが、EF50mm F1.8では、非球面レンズすら使われていません。
写真2は、Kiss-Mにアダプターをつけて、EF50mmF1.8で撮影しています。
左は元の普通に現像し、右は、darktableで、diffuse or shrpenのBloomをかけています。
この時に、写真3のマスクを使っています。
つまり、瞳の周辺を除いて、Bloomをかけています。
LEICAブランドのレンズは優秀ですが、高価で、大きく、重くなります。
F値が小さい分よくボケますが、写真2のように、瞳の周りだけを除いて、ボカシてくれる訳ではありません。
つまり、カメラ内現像のJpegを基準にしなければ、レンズの評価は変わる可能性があります。