レンズ二刀流の話

レンズの種類の少ないEF-Mマウントでレンズ二刀流の説明をします。

 

簡単な話ですが、重要にもかかわらず、議論されることが少ないので、とりあげてみます。

 

1)キットレンズ

 

EF-Mマウントのダブルズームのセットは、販売の初期と後期で分かれます。

 

初期:

18-55㎜ 標準ズーム

55-200㎜ 望遠ズーム

後期

15-45㎜ 標準ズーム

55-200mm 望遠ズーム

 

一般に、レンズの交換式カメラのダブルズームは、「標準ズーム+望遠ズーム」を指します。

この組合せで、18-200mmまたは、15-200mmがカバーできます。

ただし、後期では、45-55mmは、穴が開きます。

45㎜は55㎜より画角が広いので、55㎜で撮影する被写体は、45㎜で撮影できます。

サイズが小さくなりますが、トリミングすれば問題のないレベルです。

 

これに、広角ズーム(11-22mm)をつければ、11-200mmがカバーできます。

レンズ交換式カメラでは、F4通しの3本のレンズを小三元、F2.8通しの3本のレンズを大三元と呼んでいます。

 

一方、FE-Mマウントのレンズは小型化優先で、ズームレンズのF値は暗く、ISO感度をあげて使うことが基本になっています。

 

2)中抜きダブルズーム

 

次の2本です。

 

11-22mm 広角ズーム

55-200mm 望遠ズーム

標準ズームを使わない選択です。

 

これは、他の人と同じ写真はとらないという視点では、合理的な選択です。

 

3)単焦点と標準ズーム

 

EF-Mマウントでは、標準ズーム+22㎜をセットでキットレンズにしていた時代もありました。

ただし、後期では、カバーできる画角は15-45㎜になり、あまり、広くありません。

22mmは、単焦点なので、解像度の高い写真が撮影できます。

 

4)単焦点と便利ズーム

 

18-150㎜に単焦点を加えるセットです。

 

EF-Mマウントではありませんが、写真教室では、単焦点と便利ズームを進めているプロもいます。

 

この単焦点の選択肢は、22㎜F2、32mmF1.4、28mmF3.5Macroになります。

 

シグマ製であれば、16㎜F1.4、30㎜F1.4、56㎜F1.4が選べます。(注1)

 

EF-Mマウントで、自動焦点が使える単焦点レンズで、ボケ量の一番大きいレンズは、56㎜F1.4です。

 

ズームレンズの望遠側では、ボケが期待できますが、被写体に寄れる方がボケ量が大きくなります。

 

18-150㎜(便利ズーム)は、55-200mm(望遠ズーム)より寄れるので、望遠端のボケ量は望遠ズームとあまり変わりません。

 

5)単焦点と望遠ズーム

18-150㎜の代わりに、55-200mmを使い、これに単焦点を加えるセットです。

 

6)まとめ

 

3)、4)、5)では、4)の方がお薦めです。

 

1)、2)、4)は一長一短です。

1)では、面白い写真は撮れません。

 

1)の「標準ズーム+望遠ズーム」に慣れてしまうと、他の組合せを考えられなくなりがちです。

現実問題として、スタジオでなければ、持ち運べる交換レンズは1本になります。

同じマウントで、カメラを買い変えた場合に、古いカメラを残して、2カメラ体制にすることもよくあります

 

そのような場合には、二刀流の組み方が問題になります。

 

慣れるまでは不安がありますが、ボケ量や解像度を求めないのであれば、「2)中抜きダブルズーム」や「4)単焦点と便利ズーム」でも問題はありません。

 

リストにはあげてありませんが、単焦点2本の組合せもあります。

 

望遠側は、主題を絞る上で、落としたくありません。

 

単焦点の望遠は、ポートレート以外では、使いにくいので望遠はズームになります。

 

便利ズームか、望遠ズームで、望遠側を確保することは必須と考えます。

 

 

注1:

12月に入って、シグマの3種類のレンズの価格が下がっています。

56㎜F1.4は、3.6万円(EF-M、MFT)です。

同じレンズのZマウント( 2023年 4月21日 発売 )は、5.2万円です。

EF-MとMFTは、ディスコンになったのでしょうか。

Zマウントが出たばかりなので、ディスコンの可能性は低いと思いますが。