RBG(ルース・ベイダー・ギンズバーグ)とジェンダーギャップ

10月23日のNHKの映像の20世紀のRBG(ルース・ベイダー・ギンズバーグ、Ruth Bader Ginsburg)のジェンダーギャップ解消の番組を見ました。

 

日本では、ジェンダーギャップが、温存されていて、母子家庭の貧困問題の原因にもなっています。

 

フランスでは、ジェンダーギャップを監視する行政組織があり、問題がある企業を摘発して、行政指導するという事例を紹介している人もいました。

 

この思考パターンは、類似問題の解決事例を調べる前例主義で、帰納法です。

 

RGBのジェンダーギャップ解消では、女性の入学を認めていなかったジョージア州軍事大学の規約をめぐって、国が、ジョージア州を相手に、裁判を起こし、最高裁判所は、違法判決を出します。その結果、女性の入学が認められます。この判決の主文はRGBが作成しています。

 

これは、ジェンダーギャップの原因を探して、取り除くというアブダプションの推論になっています。

 

お気づきとは思いますが、RGBの事例では、国は、ジェンダー平等の法律を作ることだけでなく、法律違反を摘発しています。

 

フランスでは、専門の部署がありますが、それは、必要条件ではありません。

 

男女共同参画担当大臣が、企業に対して、訴訟を起こせば、日本でも、同じことができます。

 

日本にジェンダーギャップが残っている原因は、国や大臣が、ジェンダーギャップを取り除く努力をしていないことに原因があります。

 

これを解消するには、国が訴訟を起こすように、署名運動をすれば良いわけです。

 

これは、長い道のりかもしれませんが、RBGのたどった道を考えれば、悲観するほどのものではありません。

 

ジェンダーギャップの専門家は、帰納法で、どこにジェンダーギャップがあるかは熟知しています。しかし、推論が帰納法で止まって、アブダプションができませんので、問題を解決することができません。

 

ジェンダーギャップの原因を取り除くという発想になりません。

 

気づいている人は少ないかも知れませんが、行政指導は違法です。

 

ジョージア州軍事大学が、訴訟で負ければ、他の女性の入学を受け入れていない大学も、女性の入学を認めます。

 

これは、認めなければ、訴訟を起こされたら負けることが明白だからです。

 

つまり、たった1つの訴訟の結果が、社会を変えます。

 

一方、ジョージア州軍事大学に対して、国が、行政指導を行い、女性の入学が認められた場合を考えます。

 

その場合には、他の女性の入学を認めない大学では、変化は起こりません。

 

そこには、訴訟のリスクはなく、ジェンダーギャップの解消問題への対応は行政指導を受けてからで良いことになります。

 

もちろん、アメリカには、行政指導はありません。

 

なので、たった1つの訴訟の結果が、社会を変えます。

 

日本には、行政指導という違法状態をグレーゾーンに転化する魔法があるため、変わらない日本が出来上がります。

 

多くの企業は、天下りを受け入れれば、訴訟の前に行政指導があるはずだと考えていると思います。

 

日本にも、従業員が起こすジェンダー訴訟はありますが、ほとんど場合、企業が勝っています。

 

仮に、従業員が訴訟に勝っても、他の企業が動きません。

 

他の企業の従業員も訴訟を起こすリスクは低いからです。

 

従業員が、企業に訴訟を起こして勝っても、他の企業が訴訟を起こされるリスクは小さく、波及効果はありません。

 

RGBの事例は、訴訟を国が起こす点にポイントがあります。

 

なお、BBCによると、RGBに人気がでた理由は、SNSにあります。

 

シャーナ・カニジニック氏という若い法学生が、ソーシャルメディアTumblrに、ラッパーの故ノトリアス・BIG氏をもじって、RBGに特化したアカウント「ノートリアス(悪名高い)RBG」を作りました。

 

このアカウントによって新しい世代の若いフェミニストたちの間で、RBGは、有名な人気者となりました。カニジニック氏と共著者のカーモン氏はこのブログの名前を題名に本を発表し、本はベストセラーになりました。

 

www.bbc.com