19)低所得世帯補助・ウォシング
19-1)東京おこめクーポン
東京都は、2023年2月から8月まで「東京おこめクーポン事業」として、低所得世帯に米25キロなどと引き換えられるクーポン券を郵送しました。クーポン券などには「転売、譲渡は禁止」と記載されていました。
2023年9月に、米が転売されていることを確認した東京都は、フリマサイトに出品の削除依頼をしています。
フリマサイトの出品に問題がある訳ではありません。
低所得世帯を補助するのであれば、プリペイドカードを配布して、購入商品を選択できるようにすればよかっただけです。
東京都は、低所得世帯補助をしたかったのではく、お米の販売業者に、補助金を流したかったと推測されます。
低所得世帯補助・ウォシングになっています。
補助金は、困っている人に直接支払うのが原則です。
プリペイドカードで何を購入したかは、調査可能なはずです。
データに基づいて、改善方法を考えれば良いだけです。
購入を禁止しても、お酒やタバコなどの嗜好品を購入する人もいると思います。
だからといって、生活必需品を購入する正直者が、損をするような政策は、倫理に反します。
19-2)リスキリング
岸田首相は2022年10月3日の所信表明演説で、リスキリング支援として「人への投資」に5年間で1兆円を投じると表明した。
ここにある問題は、「東京おこめクーポン事業」と同じです。
1兆円は、リスキリングをする個人には、わたらずに、企業や関連業界に配布されると思われます。
つまり、リスキリングは、カモフラージュで、真意は、企業や関連業界に、補助金を配布することにあると予想されます。
これは、予想なので、今後5年間に、1兆円が、どこに流れるかを見守る必要があります。
パーソル総合研究所の小林 祐児氏は、次のようにいっています。
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日本は、人的投資も個人の学び続ける習慣も極めて弱く、パーソル総合研究所の調査でも、社外学習・自己啓発「何も行っていない」人の割合は、(2位のオーストラリアの28.6%を引き離して)断トツの1位、52.6%のビジネスパーソンが読書すらしていない実態が明らかになっています。
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これは、スキルが収入増加に結びつかない実態を示しています。
資格などのスキルをとっても、一時金を払うだけの企業がほとんどです。
それ以外のスキルは、全く金銭評価されていません。
給与は、前任のポストと年齢できまります。
資格自体は、生成AI時代のスキルにはならないと思いますが、「52.6%のビジネスパーソンが読書すらしていない実態」は、スキルの金銭価値が限りなくゼロに近いことを意味します。
「給与は、前任のポストと年齢できまる」理由は、2つあります。
(1)人文的文化の企業の幹部は、科学の方法の拡大(つまりエンジニア昇進)を阻止したい。
(2)人文的文化の企業の幹部は、「前任のポストと年齢」と忖度以外では、人材評価ができない。
19-3)SOMPOホールディングス
SOMPOホールディングスのポスト(給与)は、前任のポストと年齢できまります。
更に、社内政治がからみます。
伊藤 博敏氏は次の様に説明しています。
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関係者は次のように発言した。
「SOMPOホールディングスは合併を繰り返した損保の集合体ですが、中核を担っているのは安田火災の出身者です。櫻田(SOMPOホールディングス会長)も奥村(幹夫SOMPOホールディングス社長)も、白川(損保ジャパン社長)も白川の前任者の西澤(敬二損保ジャパン前社長)もみんなそう」
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白川(損保ジャパン社長)氏は、37人抜き51歳の若さで社長に抜擢されています。しかし、これは、人事が、基本は、前任のポストと年齢できまることを示しています。
「37人抜き」は、スキルを無視しています。
欧米では、40歳でも社長になります。経営者は、会社を渡り歩くのは普通です。
これは、経営のスキルが評価されるためです。
伊藤 博敏氏は次の様も説明しています。
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責任を取って社長辞任の意向を示した白川儀一社長(53)は、事件発覚時に日本損害保険協会会長であり、SOMPOホールディングスの櫻田謙悟会長(67)は経済同友会代表幹事だった。
SOMPOホールディングスは、「ガバナンスの優等生」である。2019年6月に監査役設置会社から指名委員会等設置会社に移行。指名委員会、報酬委員会、監査委員会の3つを持ち、経営全般を監督する取締役会と業務を執行する執行役を分離した。社外取締役は12名中9名で比率は75%。女性取締役は12名中3名で比率は25%だ。
またSOMPOホールディングスは、ITへの取り組みが優れた企業に与えられる「IT Japan Award2022」でグランプリを受賞している。受賞理由は「脱保険」を目指し、グループを挙げてDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しているというものだ。
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スキルを無視した前任のポストと年齢できまる人事をしていれば、誰も、リスキリングしません。
「IT Japan Award」は、恐らく、日本のITベンダーが協賛していると思いますが、日本のITベンダーには、GAFAMに並ぶスキルをもった人材はいません。優秀な人材は、まともな処遇をしてくれるGAFAMに流出しています。
引用文献
52.6%が読書すらしない…世界一学ばない国・日本の「1兆円リスキリング支援」が失敗すると言える3大理由 2023/01/14 President 小林 祐児
https://president.jp/articles/-/65406?page=1
ビッグモーター問題「損保ジャパンのドン」のあからさまな「責任逃れ」…社長は退任したのに会長は「現体制の維持」2023/09/28 現在ビジネス 伊藤 博敏
https://gendai.media/list/author/hirotoshiito