時系列データから何を学ぶか(経営学の教材)(2)

2)MFT

 

MFTが問題であったかをアブダプションで考えてみます。

 

2003年に、オリンパスが、FTのカメラを出します。

2008年に、パナソニックは、MFTのカメラを出します。

2009年に、オリンパスが、MFTのカメラを出します。

2010年に、ソニーは、EマウントのAPC-Sのカメラを出します。

2011年に、ニコンは、NIKON 1マウントの1インチセンサーのカメラを出します。

2011年に、Fujifilmは、XマウントのAPC-Sのカメラを出します。

2012年に、CANONは、EF-MマウントとのAPC-Sのカメラを出します。

2013年に、ソニーは、Eマウントをフルサイズセンサーに拡張します。

2014年に、ライカは、LマウントのAPC-Sのカメラを出します。

2015年に、ライカは、Lマウントをフルサイズセンサーに拡大します。

2018年に、CAONは、RFマウントのフルサイズセンサーのカメラを出します。

2018年に、Nikonは、Zマウントのフルサイズセンサーのカメラを出します。

2018年に、ライカパナソニック、シグマの3社がLマウントアライアンスそ作ります。

 

nikon 1マウントと、EFーMマウントは、既に、廃止されています。

 

ソニーは、MFTへの参加に、声をかけられますが、独自路線をつらぬきます。

 

ソニーのEマウントは、フランジバック18mm、マウント径46mmです。

 

フォーサーズは、フランジバック38.67mm、マウント径46mmでした。

MFTにしたときに、フランジバックを半分にしたので、マウント径を6mm小さくすることが可能になりました。そこで、MFTで、マウント径を40mmに縮小してしまいました。

 

フォーサーズが出た、2003年には、デジタルカメラのセンサーは高価でした。ニコンがフルサイズセンサーのデジタル一眼レフ、D3を発売したのは、2007年からです。

 

MFTのマウント径は、フォーサーズと同じ46㎜のままであれば、APC-Sのセンサーは簡単に積めます。

 

MFTの規格を決めるときには、センサーの価格が下がり、大型化することを考えていなかったことがわかります。

 

MFTとAPC-Sのセンサーのサイズは、大きくは変わりませんが、センターを内製化しなければ、販売台数の多いAPC-Sの方が、最新のセンサーを載せやすいと言われています。

 

MFTは、イメージセンサーサイズが小さいため、高感度性能と画素数の上限にネックがあります。

 

利点だった小型軽量もフルサイズの高画素化に伴うクロップモードの搭載や、F値が大きい小型レンズの登場などで揺らいます。

 

これを解消する方法はマルチショット処理しかありませんが、OMDSはともかく、パナソニックは、まともに取り組んでいません。RAW出力のできるマルチショットはありません。

 

G9IIのダイナミックレンジブーストに期待すべきかも知れません。

 

瞳認識も、ソニーの後を追いかけています。

 

この点は、重要だと考えます。

 

日本のメーカーは、他社がよい製品を作ると真似をします。しかし、真似をするプロセスと独自技術を開発するプロセスは、全く別と思われます。




表1 フランジバックとマウント径

 

マウント   フランジバック マウント径

MFTーサーズ 20mm 40mm

フォーサーズ 38.67mm 46mm

ソニーE 18mm 46mm

イカL/T 20mm 51.6mm

キヤノンEF M 18mm 47mm

フジフィルムX 17.7mm 43.5mm




3)G9IIの評判

 

前機種のG9の発売が、2018年 1月25日で、G9IIの発売は2023年10月なので、5年半経っています。

 

この間に動画重視の機種は出ていますが、それでも、5年半は長すぎ、その間に、Lマウントのフルサイズの機種を出していますので、パナソニックは、MFTをやめたのではないか考えて、OMDSに切りかえたり、フルサイズに切り替えた人もいたようです。



デジカメInfoでは、「パナソニック『G9II』の予約状況は芳しくない」や、「パナソニック『G9II』」の予約状況は非常に好調」という記事が出て、議論が盛んです。

 

議論を見ると、これで、ダメなら、パナソニックは、撤退に近い雰囲気を感じます。

 

G9IIはとても大きいMFTのカメラですが、これが、成功すれば、より小型の派生形もでると考えて、サイズについては論じないことにします。

 

新機種の発売は10月なので、まだ、実物をさわった人はいません。

 

スペックの要点は、以下です。

 

 

  • ダイナミックレンジブースト

 

イメージセンサーの「低ISO回路」から生成する飽和優先の画像と、「高ISO回路」から生成する低ノイズ優先の画像の2つを1画素ごとに光量に応じた合成比で合成することにより、低ノイズと高飽和の特性を持った階調豊かでなめらかなHDR撮影を実現します。

 

  • 新インテリジェントディテール

 

自然な輪郭を再現するため、被写体の特長をより細かくとらえて、画像のフラット/ディテール/エッジ部分の領域を精緻に判別。エッジ補正処理と組み合わせながら高い解像感と立体描写を実現します。

 

  • 新2Dノイズリダクション

 

静止画において、エッジ部の輝度ノイズや色ノイズを効果的に低減。暗所などの高感度撮影でノイズとディテールのにじみを抑えて、より自然で立体感のある描写を実現します。

 

 

これでは、実際に撮影して見なければ、性能はわかりません。

 

ダイナミックレンジブーストのためかRAWは16bitになるようです。

 

つまり、、高感度性能のネックが解消されます。

 

手もちハイレゾができるので、画像数の上限もいちぶ解消されます。

 

残る問題はボケ量ですが、丸ボケ以外であれば、フォーカスブランケットの合成や、インテリジェントディテールなど、解消する方法はあると思います。

 

パナソニックは、最初のMFTのカメラから、デジタル補正を前提としたレンズを作って、レンズの歴史を書き換えてきました。

 

ハードウェアの不足は、ソフトウェアで補うという方法を進めて欲しいです。

 

月産台数を公表(報道機関向け資料)しているのはキヤノンとフジで、最近は、キヤノンのR6iiが23,000台、R8が11,000台、フジのT5が20,000台、S20が15,000台、GFX100iiが1,500台位らしいです。

 

パナソニックが公開していたころは、GH5、G9、S5あたりは月産1,500台だったようです。

 

いずれにしても、年内には、MFTの未来が見えて来ると思われます。




引用文献




パナソニック「G9II」の予約状況は芳しくない?2023/09/19 デジカメInfo

https://digicame-info.com/2023/09/g9ii-4.html



パナソニック「G9II」の予約状況は非常に好調(パナソニックUSA)2023/09/26 デジカメInfo

https://digicame-info.com/2023/09/g9iiusa.html





マイクロフォーサーズ用 小型レンズの開発 2011 小岩井 保・穐田英則

https://www.jstage.jst.go.jp/article/photogrst/74/2/74_56/_pdf