1)近況
12月のdarktable4.1のリリースに、新たに、sigmoidal(シグモイド)モジュールが加わることが決まっています。
11月22日には、pixlux.usに、「モジュールの利用者が増え、フィールド テストが開始されたので、モジュールの成功または失敗を示す画像を投稿して、12 月の公式リリース前に的を絞ったフィードバックを提供してください」と、ベータ版のコメントを求めるアナウンスがありました。
シグモイドモジュールは、フィルミックRGBの代わりに、
2)シグモイドモジュールの特徴
フィルミック RGB は S 字カーブを適用するため、ハイライトとシャドウの細部が失われます。フイルミックRGB は、すべての画像に対応する万能ツールではありません。
ミッドトーンは、90% の確率で、肌の色などの対象のすべての詳細をみます。
フィルミックRGB は、ハイライトを犠牲にして、最初にミッドトーンを保護することを目的としたグローバル トーンマッピングです。
なので、90%は、フィルミックRGBでOKですが、10%は上手くいかなくなります。
簡単に言えば、表現の中心が、ハイライトとシャドウの細部にある場合には、フィルミックRGBは失敗します。
大まかに言えば、「Filmic はより多くのデータを保持」し、「シグモイドはより平滑化」します。
シグモイドは、ハイライトを滑らかにしたり、スムーズにロールオフしたりしますが、ハイライトの詳細を失う原因となります。
とはいえ、全般的には、夕陽などのハイライトの多いシーンを扱う時にメリットがあります。
写真1の左は、フィルミックRGBで、右が、シグモイドです。
左では、顔が暗くなっている一方、額の部分が白飛びしています。
右では、顔が明るくなっていますが、額の部分の白トビはわかりません。
左では、水色の四角で囲んだ黄色い服の部分が白くなっていますが、右では、偽色が出ています。
写真2の左は、フィルミックRGBで、右が、シグモイドです。
右の方が、顔の部分が明るくなっています。
また、濡れた紅葉の落ち葉は、右の方がリアリティがあります。
フィルミックRGBでも。パラメータを調整すれば、シグモイドに近い編集は可能のようですが、簡単に自然な表現になるので、画像によっては、使うメリットは大きいと思われます。
引用文献
Evaluate the new sigmoid tone mapper just merged into master
https://discuss.pixls.us/t/evaluate-the-new-sigmoid-tone-mapper-just-merged-into-master/33367/50
New Sigmoid Scene to Display mapping pixls.us
https://discuss.pixls.us/t/new-sigmoid-scene-to-display-mapping/22635
New filmic preset, adobe standard tone curve pixls.us
https://discuss.pixls.us/t/new-filmic-preset-adobe-standard-tone-curve/20653
Tone Curve Playground
https://jandren-tone-curve-explorer-streamlit-app-xca32q.streamlit.app/
Examples of the new Sigmoid tone mapper coming in 4.2