(クラウドサービスに日本のITベンダーが入る余地はありません)
先日、2022年10月8日の日本経済新聞のピチャイCEOへのインタビューを元に、Googleの日本進出の影響を考えてみました。
2022年10月9日の日本経済新聞のAWS(アマゾンのクラウドサービス)のCEOのセリブスキー氏へのインタビューがのっています。AWSも日本に投資していますので、Googleと比較しておきます。
1)AWSの利益
2022年4月から6月までのAWSの利益は60億ドル弱です。これは、4半期ですから、1ドル145円とすれば、3兆4800億円の利益になります。
2021年のトヨタの利益が、2兆8501億円ですから、トヨタと同等と思われます。
ちなみに、日本のITベンダーでは、最大は、NTTデータの1兆 7,686億円(2021年)ですが、これは、ドコモ、不動産など多様な業種を含んでいます。データ通信だけで見れば、2,360億円(2022年予想)と、AWSより1桁小さくなります。
2)日本への投資
Googleは、2021から2024年の間に、日本に1000億円の投資をする計画でした。
AWSは、過去10年間の日本への投資が1兆3000億円に達しています。
年変動がないとすれば、Googleの年250億円に対して、AWSは年1300億円で、5倍あります。
3)データセンター
Googleの記事で、AWSのデータセンターは世界中で、26か所と書きましたが、セリブスキー氏によると現在のデータセンター数は27か所で、今後34か所に増やすそうです。
4)まとめ
Googleの日本進出もインパクトがあると思ったのですが、現時点の日本への影響では、AWSの方が大きいです。
AWSは利益を出していますが、Googleのクラウドは、当面は、利益なしで、規模拡大を図っています。これは、後発なためです。Googleのクラウドが無理ができるのは、本業の検索で儲かっているからです。
最近は、Googleの本業の検索が、怪しくなってきています。それは、アメリカの大統領選挙に見られるように、フェイクの情報が多量にネット上に存在するため、検索に意味のないフェイク情報が多量にかかってしまうからです。これは、アルゴリズムの抜本的な改良が出来なければ、ビジネスが先細りになることを意味します。
このため、Googleは、ビジネスモデルの転換を図っていて、クラウドサービスの拡充もその選択肢の一つです。
AWSとGoogleクラウドの競争を見ていると、DXなどのキーワードを並べて、補助金をばら撒く日本政府の政策では、全く勝負にならないことがわかります。
こうなってくると、筆者には、日本のITベンダーに就職することが、リスクだと感じられます。
2024年までには、日本の就職戦線に、激震が走っても不思議ではないでしょう。