うろ覚えなのですが、darktable3.4までは、焦点のあっている範囲の表示は、長方形でした。darktable3.6から、ピクセル単位で、焦点のあっている部分が表示されるようになりました。
焦点のあっている範囲を表示するには、ダークルームまたは、ライトルームで、右下にあるアイコンの並びの一番左をONにするだけです。
説明は、この1行で終わりです。
しかし、カメラの焦点合わせの性能は、数値評価が難しく、カタログにもまともな説明はありません。
また、ウィキペディアを見ても、メーカー、カメラによって、様々です。
そこで、ここでは、darktableの焦点のあっている範囲の表示を使って、焦点合わせについてかんがえてみます。
写真1と2は、梅林の写真で、写真2には、焦点のあっている範囲が表示されています。 以下、写真は2枚並べた、あとの写真に、焦点のあっている範囲を表示します。
写真1と2は、F8.0まで絞っていますので、被写体深度が深く、手前から奥まで、焦点があっています。風景写真は、F8まで、絞って撮影するのが原則ですから、その場合には、焦点が合わないことは少なくなります。
写真3と4は、F1.4で、絞りが明るく、被写体深度が浅くなります。写真4を見ると、犬の耳の辺りに焦点があっていて、目の部分には、焦点表示がありません。写真3を見ても、目の部分の焦点は甘いと思われます。
darktableの焦点表示は、コントラストフォーカスのアルゴリズムに相当すると思われます。 写真3と4では、耳の辺りが、コントラストが大きくなり、焦点が合いやすくなります。
位相差の自動視点でも、人間の顔のように、表面が平らな場合に比べると、犬の顔は、毛が生えているので、位相差は撮りにくいと思われます。
写真5と6は、F4.0です。写真6を見ると、犬の部分は、焦点を外していますが、被写体深度がまだ、深いので、大きく目がボケているようにはみえません。しかし、写真1と比べると、目に焦点が合っているといえません。
写真7と8は、F1.4 で撮影していて、被写体深度が浅いです。写真5で、目に焦点があっていないことがわかりますが、写真6では、焦点があっていないことが確認できます。
写真9は、オリンパスのE-PL6のマニュアルの一部です。
このカメラでは、焦点範囲は、「オールターゲット」、「シングルターゲット」、「グループターゲット」から選べます。
カメラの性能を表示する場合には、焦点合わせのポイントが大きいことをセールスポイントにすることが多いですが、その場合は、オールターゲットモードを使うことに相当します。
オールターゲットモードは、範囲内で、一番近いところ、コントラストの一番はっきりとれるとところに焦点を合わせる可能性が高いです。つまり、写真3と4のような状況になりやすいです。
風景写真は、一般に、近景、中景、遠景をいれますが、近景に焦点があると、遠景がぼけてしいます。
つまり、オールターゲットモードは使いにくいですが、この設定がデフォルトになっていることが普通です。
昔のフイルム時代のカメラは、シングルターゲットだったので、シャッターを範押して、中央で焦点を合わせてから、カメラをシフトさせて、構図を調整していました。
現在のシングルターゲットは、写真9のように、焦点を合わせる範囲を変更できます。 この機能は便利ですが、操作ミスで、知らないうちに、焦点合わせの位置が、中央からずれていたこともあります。調整の自由度があがると、誤操作のリスクも高くなります。
グループターゲットは、折衷案ですが、いつ使うべきかは難しい判断です。
万能ではありませんが、可能であれば、画面を見ながら、タッチシャッターを使うべきです。 ただし、この方法では、片手でカメラをもったまま、シャッターを切ることができません。 必ず、両手で撮影する必要があります。
それから、オリンパスの「オールターゲット」、「シングルターゲット」、「グループターゲット」は、同じアルゴリズムで、範囲だけを変えていると思われますが、キャノンの場合には、撮影範囲によって、アルゴリズムが違うと感じています。
KissMで、「オールターゲット」と「シングルターゲット」に相当する変更をすると、カメラは、全く違う動きをします。これは、センサーが増えて、「オールターゲット」が可能になった時点で、「シングルターゲット」の今までのカメラ操作を温存する方向で、設計が行われたためと思っています。
darktable3.8の焦点のあっている範囲の表示は、それだけでは、何も変わりませんが、撮影条件と比べて、見返すことで、有効な撮影のヒントを得ることもできます。
オートフォーカス wiki https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%82%B9