日本の未来「日本の終わりと日本沈没」

テーマが新年にふさわしいかわかりませんが、年末に関連記事のラッシュがありましたので、年頭の展望として、タイトルのテーマを考えてみます。

日本の終わり

2019/07/21の東洋経済で、ジム・ロジャーズ氏はこう言っています。

「私が日本に住む10歳の子供であれば、一刻も早く日本を飛び出すことを考えるだろう。中国や韓国に移住したほうが、よほど豊かに生活できるのだから。(中略)これから起きる破綻は、日本人が自分で決めたことにほかならない。しかし、本当にそうした未来を望んでいるのだろうか?」

2020/06/01の東洋経済では、ジム・ロジャーズ氏は、債務と少子化による「日本終了」が現実的と指摘して、次のようにいっています。

「このままいけば、日本には恐ろしい未来が待っている。すぐに消滅することはないが、外資に買われまくるといったかたちで、実質的に国家が維持できなくなる可能性もゼロとは言えないだろう。」

このあたりまでは、ジム・ロジャーズ氏の見解ということで、関心を呼んでいました。

年末には、次の情報が得られました。

2021/12/30の日経新聞に、柳井正氏へのインタビューが載っています。

「1995年に米国と日本のアパレル消費額は共に16兆円程度で日本の方が多かった。今は、米国は、40兆から50兆円規模だが、日本は9兆円を切った」

「日本には、本来何もないことを認識すべきだ。だから、世界中で稼ぐ以外にない」

少子高齢化が進み輸出も難しくなれば、日本から海外に出稼ぎするようになり、国内は老人ばかりになる可能性もある」

2021/12/27のニューズウィークのインタビューに、加谷珪一は、要約すると次のように述べています。

「日本は人口減少が急激に進むことに加え、AI(人工知能)や脱炭素などの次世代投資には消極的である。その結果、日本のGDPは横ばいか微増にしかならない。GDPに比例する株価も上がらないので、日本株だけに投資をするのは危険だ。主力の投資対象は米国の優良企業とし、日本企業の優先順位は下げた方がよい。米国企業、グローバルなビジネスを行っている日本企業、中国企業の順で投資先を選別するのが望ましい」

加谷珪一は、中国企業には、リスクがあるといっています。このことは、中国でのビジネスのシェアの高い日本企業にも当てはまります。

日本沈没

筆者はみていませんが、昨年末に、テレビドラマの「日本沈没」が、ヒットしたようです。

現実の日本沈没は、既に起こりつつあります。テレビドラマと異なり、現実の日本沈没は、目に見えにくい形で進んでいます。

加谷珪一は、日本企業株を売って、米国企業株に、乗り換えることをすすめています。これも、日本沈没の一部です。現在は、歴史的な円安ですので、これは、かなり抵抗があります。米国企業株への乗り換えは、長期的な問題なので、今すぐに、買い替えることを推奨している訳ではありませんが、円安が解消する見通しが持てないことも事実です。

柳井氏は、将来、労働者が、「日本から海外に出稼ぎ」するといいますが、リモートワークであれば、これは今すぐにも可能であり、実際に、現在、リモートワークで、「日本から海外に出稼ぎ」している人がいるかもしれません。

「海外に出稼ぎ」するのであれば、日本の大学の学歴は、役に立ちません。アメリカの大学では、ネット講義で、優秀な学生を探してスカウトしているところもあります。高校生に、なったら関心のある分野のネット講義に参加したり、カゲルにチャレンジするなどして、英語圏の大学を目指して、卒業する方が、「出稼ぎ」には、ずっと有利です。

つまり、日本の大学も、沈没しつつあります。これは、大学の国際比較ランキングをみても確認できます。 どうしても、国内の大学を選ぶのであれば、会津大学など「出稼ぎ」に有利な特徴のある大学を選ぶべきと思われます。ITに特化した大学が、会津大学しかないという状態は、日本の大学の現状の問題を示しています。要するに、日本国内の大学のランキングは、「出稼ぎ」の評価で有利になるかで、判断すべきです。

まとめると、経済活動における日本沈没は、次のような側面からなるでしょう。