チームラボ偕楽園 光の祭の写真撮影と編集(5)

影絵とライトアップの編集(1)

影絵の編集方針は、ちょっと変わっていて、黒い部分は、できるだけ暗くして、明るい部分に、情報を集中します。ある意味では、ベースカーブに近い発想とも思われます。この方針は、影絵以外の、夜間のライトアップにも、共通します。つまり、編集のポイントは次の2点です。

  • 黒い影の部分を、できるだけ暗くする。

  • 明るい部分は目立つ方が良いが、できるだけ中間トーンを詰め込みたい。

問題は、以上の2点をどのモジュールを使って実現するかという点です。

モジュールの説明

次の4つがあります。

  1. フィルミックRGBを使う

  2. トーンイコライザーと露光を使う

  3. カラーバランスを使う

  4. ローカルコントラストを使う

順番に説明します。

フィルミックRGBを使う

写真1のように、フィルミックRGBで、明暗のコントラストを強めるには、sceneタブの「白の相対露出」と「黒の相対露出」を明暗が大きくなるように、スライダーを動かします。

フィルミックRGBで、明暗のコントラストを強めるには、lookタブで、ダイナミックレンジを調整することもできます。しかし、lookタブでダイナミックレンジを狭くすると、明暗のコントラストは強くなりますが、細部の色が飛んでしまいます。写真2は、lookタブで、ダイナミックレンジが広い場合で、カーブが直線に近づき、背景の竹林とウサギの白い線についている色が再現されています。写真3は、lookタブで、ダイナミックレンジが狭い場合で、カーブがS字型に近づき、明暗のコントラストは強くなっていますが、竹林とウサギの白い線の色がとんでいます。ですから、lookタブで、明暗のコントラストは強くする方法は、お薦めできません。

なお、変換曲線にオレンジ色の線が少し出ますが、この部分は、意図的に、黒飛びさせている部分に相当するので、ここでは、気にしていません。

 

f:id:computer_philosopher:20210306214229j:plain

写真1 フィルミックRGB(sceneタブ)

 

 

f:id:computer_philosopher:20210306214252j:plain

写真2 フィルミックRGB(lookタブ)

 

f:id:computer_philosopher:20210306214315j:plain

写真3 フィルミックRGB(lookタブ)

 

トーンイコライザーを使う

写真4は、トーンイコライザーで、明暗のコントラストを強くしています。暗い部分のマイナスを増加させ、明るい部分のプラスを増やす方向で、スライダーを動かします。比べると、フィルミックRGBの方が、トーンイコライザーより、色再現が良いと思われます。

次回は、残りの2つのモジュールを検討します。

 

f:id:computer_philosopher:20210306214349j:plain

写真4 トーンイコライザー(simpleタブ)