darktableの基本ワークフロー(3)

Jpegのワークフロー(3)

トーンカーブ

表示参照ワークフローは、ベースカーブモジュールで画像をいったんJpegに変換して、そのあと画像をトーンカーブで編集するイメージでです。もちろん、実際に、Jpegに変換してしまうと、画像の細部のデータが失われて、画像編集に伴う、画像劣化がおこりますので、ソフトの中では、データはJpegの整数データではなく、浮動小数点データで保存しています。また、RGB色空間ではなく、Lab色空間にデータを変換して編集しています。しかし、これは内部処理の話であって、概念的には、RGBの変換曲線をトーンカーブで調整します。つまり、トーンカーブを使った色調整は、表示参照ワークフローとJpeg編集では共通になります。

カメラメーカーによっては、現像の調整は、トーンカーブの変更であると考えているところも多く、その場合には、カメラ内現像で、トーンカーブを直接操作する機能がついているカメラもあります。

トーンカーブモジュールは写真3に示しています。基本的な使い方は、上に突、下に突、S字型などにカーブを変形して使います。

トーンカーブで現像に必要なことは基本的に何でもできるという理解をしているカメラメーカーもありますが、実際は、トーンカーブで画像の微調整をすることは、かなり難しいです。

トーンカーブ以外にJpegでも動作するモジュールには、写真1のレベルモジュールと写真2のRGBレベルモジュールがあります。しかし、露光に大きな問題がなければ、出番はないと思います。

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写真1 レベル

 

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写真2 RGBレベル

 

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写真3 トーンカーブ

 

ワークフローの設定

次回から、表示参照ワークフローの概説をします。

その前に、シーン参照ワークフローと表示参照ワークローは、プリファレンスの設定が異なりますので、写真4にプリファレンスの設定部分を示しておきます。

ここで、表示参照ワークフロー(display-referred)を指定しますと、RAW画像を読み込んだあとで、自動的に、ベースカーブモジュールを使って、現像が行われます。

シーン参照ワークフロー(scene-referred)を指定しますと、RAW画像を読み込んだあとで、自動的に、フィルミックRGBモジュールを使って、現像が行われます。

 

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写真4 プリファレンス