前回、覆い焼きと焼き込みが簡単にできますと、書いたのですが、やはり、不親切な気がしたので、覆い焼きと焼き込みの説明をしようと思います。しかし、その前に、前回、図1で書いたモジュールの説明から、丁寧に始めてみます。というのは、昔は、紙の本では、紙は値が張る、カラーはさらに値が張るということで、モノクロの薄い冊子が主流でした。英語では、デジタルになってから、カラーで1000頁も当たり前になっているのですが、残念ながら、日本語圏は取り残されています。また、日本語では、デジタルカメラの本も、翻訳を除くと、入門書ばかりです。筆者は、スコット・ケルビーの4分冊で、学習し、その後は、ナショナルジオグラフィックのシリーズをみていますが、日本発で、これだけのボリュームのあるテキストはありません。
前置きが長くなりましたが、今回は、表示参照ワークフローの露光の基本となる「露光」と「ベースカーブ」と「トーンカーブ」を取り上げます。画像を丁寧にひろったので、画像順に説明します。
写真1は、RAW画像を読み込んで、露光モジュールを開いたところです。
写真2は、露光モジュールの自動調整機能をつかって、露光を調整したところです。
写真3は、ベースカーブモジュールを開いたところです。この場合は、表示参照ワークフローが設定されていないので、ベースカーブは直線で、セットされていません。表示参照ワークフローがセットされている場合には、自動的に、写真6までの処理がなされています。
写真4は、ベースカーブモジュールのプリセットを表示したものです。同じメーカーのカメラでも、複数のベースカーブが準備されていることがあります。自動実行では、そのうちの最初のカーブが用いられます。このカーブは、後で、変更することができます。なお、違うメーカーのカメラのカーブをセットすることも可能ですが、推奨はされません。
写真5は、フジフィルムのカメラのRAW画像なので、ベースカーブモジュールにフジフィルムライクのカーブを適用します。
写真6は、フジフィルムライクのベースカーブを拡大表示したものです。
写真7は、トーンカーブモジュールを開いたところです。直線が表示されます。
写真8と9は トーンカーブモジュールと露光モジュールの関係を示しています。露光モジュールは、RAWの値に、一定の係数をかける操作です。係数が1の場合には、露光の値は変化しませんが、トーンカーブは、写真7のように45度の直線になります、係数が1より大きな場合には、露光は大きく(明るく)なりますが、これは、写真8の直線に対応します。係数が1より小さい場合には、露光は小さく(暗く)なりますが、これは、写真8の直線に対応します。
写真10は、トーンカーブモジュールのプリセット一覧を示したものです。
写真11は、トーンカーブモジュールのプリセットからガンマ1.0を選択した場合です。直線の上に丸い点がある以外は、写真7と同じです。つまり、トーンカーブモジュールはデフォルトでは、ガンマ1.0に設定されていることになります。直線の上の丸は、マウスでピックして、動かすことができるポイントです。
写真12では、トーンカーブモジュールのプリセットの一番上の「コントラストーハイ:線形」を選んでいます。
写真13は、トーンカーブモジュール(プリセットの一番上の「コントラストーハイ:線形」を選んだ結果です。
写真14は、ここまでの履歴のチェックです。
以上の説明では、RGBがセットで操作されています。トーンカーブでは、カーブをRGBまたはLabで3本に分けた設定も可能です。写真15、16、17では、トーンカーブモジュールをLabで別々にセットしている例を示しています。
今回は、ここまでです。次回は、シーン参照ワークフローの説明をします。