darktableでポートレートを写す(13)

ポートレート現像の注意点の整理(4)肌色編2(3D LUT)

今回は、肌色の表現に3D LUT(LUT3D)を使ってみます。とはいえ、LUTのパラメータエディタはdarktableにはついていないので、既にあるLUTファイルをつかうことになります(注1)。darktableをインストールしても、LUTファイルはインストールされませんので、別途インストールする必要があります。

darktableのマニュアルで紹介されているのは、RawtherapeeのHaldclutファイルを使う方法です。

次によく知られているのは、Stuart Sowerby Fuji Film Simulation Profilesでこの中にも、style fileに混じって3D LUTファイルが入っています。

今回は、この2つを使ってみます。

以下の比較写真で、3D LUTが1種類の場合は、左側は元の3D LUTなし画像、右側が3D LUTを適用した画像になります。

3D LUTが2種類の場合は、左側は1番目の3D LUTを適用した画像、右側が2番目の3D LUTを適用した画像になります。

  • Haldclut-Fujifilm-Superia100

    写真1がHaldclut-Fujifilm-Superia100を適用した結果です。

    元の画像より、肌は白くなっています。

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写真1 Haldclut-Fujifilm-Superia100

写真2がHaldclut-Fujifilm-Astea100を適用した結果です。

元の画像より、肌は若干赤くなっているように見えます。

 

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写真2 Haldclut-Fujifilm-Astea100

 

写真3がHaldclut-Fujifilm-Provia100を適用した結果です。

やはり、元の画像より、肌は若干赤くなっているように見えます。

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写真3 Haldclut-Fujifilm-Provia100

写真4がAstea100とSuperia100を適用した結果の比較です。

右のSuperiaの画像が、左のAsteaの画像より、肌は若白くなっているように見えます。

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写真4  Haldclut-Fujifilm-Astea100.vs. Haldclut-Fujifilm-Superia100

 

 

  • Haldclut-Kodak-porta160

写真5がHaldclut-Kodak-porta160を適用した結果です。

元の画像より、肌は白くなっています。

まとめると、肌を白くするのであれば、Haldclutであれば、

Fujifilm-Superia100か、Kodak-porta160

が良さそうです。FujifilmでもISO100以外は試していませんし、Kodakも1つしか試していませんので、この結論は、今回の比較の中ではということになります。

 

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写真5 Haldclut-Kodak-porta160

 

  • Stuart-Sowerby-FujiFilmSimulation-astea3d

Stuart Sowerbyさんの3D LUTファイルも試してみます。

今回使っているファイルのフィルム名は、ファイル作成者が、自分は、これに似ていると思って命名しているだけで、フィルムメーカーのフイルムとは直接は無関係です。

ただし、複数のフィルムの名前を使っている場合には、相対的には、元のフィルムのタイプを見て、似ている方のパラメータファイルに、似ている方のフィルムの名前を付けているのだろうと思われます。つまり、あまり当てにしてはいけないが、一応は参考にできるということです。

フジフィルムの場合、本来であれば、肌色表現にむいたフィルムはAsteaのはずです。Haldclutの場合には、肌を白く見せる点では、Astea100よりも、Superia100がよいという予想外の結果になりました。しかし、Stuart Sowerbyさんの3D LUTファイルでも引き続き、Asteaを試してみます。

写真6がStuart-Sowerby-FujiFilmSimulation-Astea3dを適用した結果です。

元の画像より、肌は白くなっています。

こちらの、Astea3dは肌が赤くなる問題はなさそうです。

 

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写真6 Stuart-Sowerby-FujiFilmSimulation-Astea3d
  • Haldclut-Fujifilm-Astea100.vs.FujiFilmSimulation-Astea3d

最後に、2種類のAsteaを比べてみました。

写真7で見るように、右側(Astea3d)の方が肌が白くなります。

 

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写真7  Haldclut-Fujifilm-Astea100.vs.FujiFilmSimulation-Astea3d

 

まとめ

今回ためした、パラメータファイルでは、肌を白くするのであれば、次が推奨できます。

  • Haldclut-Fujifilm-Superia100

  • Haldclut-Kodak-porta160

  • Stuart-Sowerby-FujiFilmSimulation-Astea3d

 

 

注1

フリーの3D LUTエディタは、基本的なIWLTBAP LUT Generator(IWLTBAP LUT Generetere)くらいです。有料でも種類が少なく、これからの分野と思われます。フリーのmagic bullet lut buddy 64-bitにはマルウェアが入っているという情報がありますので、利用はおすすめできません。

 

使用した写真は、「FREE RAW PHOTOS FOR EDITING」というサイトからダウンロードしたもので、特に、ライセンスの制限はないようです。

  • FREE RAW PHOTOS FOR EDITING

https://www.signatureedits.com/free-raw-photos/

  • Haldclut files(in Rawtherapee and PhotoFlow)

http://rawtherapee.com/shared/HaldCLUT.zip

  • Stuart Sowerby Fuji Film Simulation Profiles

https://blog.sowerby.me/fuji-film-simulation-profiles/

  • magic bullet lut buddy 64-bit.exeのエラーを修正する3つの簡単な手順(素早い効果)

https://www.google.com/search?client=firefox-b-d&biw=1134&bih=758&ei=-oxAX9iHJNmpoASp1YHABQ&q=IWLTBAP+LUT+Generator+zip+windows&oq=IWLTBAP+LUT+Generator+zip+windows&gs_lcp=CgZwc3ktYWIQDFAAWABgxh1oAHAAeAOAAQCIAQCSAQCYAQSqAQdnd3Mtd2l6&sclient=psy-ab&ved=0ahUKEwjY7Kq5663rAhXZFIgKHalqAFg4ChDh1QMICw&uact=5