残された3都道県(データの訂正と更新)~コロナウィルスのデータサイエンス(60)

東京都の感染者数のデータが1日ずれていたことに気づきましたので、これを訂正しました。

5月22日の感染者数のデータを追加更新しました。

Google Transitデータが更新されたので、データを更新しました(5月16日が最新データ)。

線で結んだ値は曜日変動を排除するため、7日間の移動平均です。

グラフの軸などの見方の詳細は、(59)と同じなので、今回は省略します。

不明の場合は(59)を参照してください。

Google Mobile Report

図1のように、最近は、Google Transitの行動制限の値の変化が止まりました。

東京都がー55%、神奈川県がー48%、北海道がー45%付近で停滞しています。

 

f:id:computer_philosopher:20200523090246p:plain

図1 Google Transitのデータ

3都道府県の感染者数の推移

東京都

図2のように、感染者数の減少は続いていまます。

m7psesonが感染者数(左軸:人)、m7tansitがGoogle Mobil Transit(右軸:%)です。

過去の増加が減少に転じたときのTransitデータはー30%からー40%の間でした。

最近のTransitデータは、戻していますが、-40%よりは小さい(絶対値が大きい)ので、感染者数の減少傾向は続くと思われます。

 

f:id:computer_philosopher:20200523090323p:plain

図2 東京都の感染者数の推移

 

 

神奈川県

図3のように、一旦停止した、感染者数の減少が戻っています。

m7psesonが感染者数(左軸:人)、m7tansitがGoogle Mobil Transit(右軸:%)です。

過去の増加が減少に転じたときのTransitデータはー30%からー40%の間でした。

最近のTransitデータは、戻していますが、-40%よりは小さい(絶対値が大きい)ので、これらも、感染者数の減少傾向は続くと思われます。

 

 

f:id:computer_philosopher:20200523090412p:plain

図3 神奈川県の感染者数の推移

 

北海道

図4のように、感染者数の減少は続いていまます。

m7psesonが感染者数(左軸:人)、m7tansitがGoogle Mobil Transit(右軸:%)です。

過去の増加が減少に転じたときのTransitデータはー30%からー40%の間でした。

最近のTransitデータは、戻していますが、-40%よりは小さい(絶対値が大きい)ので、感染者数の減少傾向は続くと思われます。

 

f:id:computer_philosopher:20200523090442p:plain

図4 北海道の感染者数の推移

 

まとめ

(59)では、緊急事態宣言の効果が薄れて、Google Transitのデータは、更に値を戻すのではないかと推定しましたが、結果は停滞で、予想外になりました。

とはいえ、この行動制限は、4月中旬の緊急事態宣言の始まった直後に近い値です。

今後のTransitの値の推移を考える上では、次の点がポイントと考えています。

ゴールデンウィーク中のTransitの値は他の時期より小さいですが、これは、通勤の必要がなくなった一方で、レジャーに出歩かなかったためと思われます。この時期と、他の時期を比べて、気のゆるみがあったと判断はできないと思います。この時期は、例外的な条件があったと考えるべきです。そう考えて、ここを外すと、図1から行動制限の一番小さな値は次のあたりになります。

東京都:-60%

神奈川県:-55%

北海道:-50%

一方、最近の値は次です。()内は、上の最小値との差。

東京都:-55%(+5%)

神奈川県:-48%(+7%)

北海道:-45%(+5%)

ゴールデンウィーク効果を除いても、非常事態制限による行動制限の効果は弱まっています。

ただし、これらの値は、-40%より小さいので、感染者数の減少傾向は続くと思われます。

つまり、非常事態宣言の解除はほぼ射程にあります。

単純に考えれば、今後、経済活動の再開に伴い、Google Transitで言えば-30からー40%の間で、感染者数が増大するリスクが増加します。しかし、次の点の考慮が必要になります。

  1. 感染者数(特に経路不明)がゼロまたは、それに近いところまで減少すれば、経済活動を再開しても感染者数はふえませんので、Google Transitデータは指標になりません。

  2. 感染リスクの高い施設(場所)と時間を狙いうちにして制御できれば、経済活動を再開しても感染者数はふえませんので、Google Transitデータは指標になりません。これが、成功するかはわかりませんが、望ましいシナリオです。

2.のためには、スマホのアプリの活用が必須ですが、次の問題があります。

  • アプリの普及ができるかが不明です。(強制力がありません。)

  • アプリのレベルが低く、感染リスクと結びついていません。

以上です。

出典

tokyo

5月21日発表のデータ修正は反映されていません。

https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

kanagawa

https://www.pref.kanagawa.jp/osirase/1369/

hokkaido

https://www.harp.lg.jp/opendata/dataset/1369.html

Google report

https://www.google.com/covid19/mobility/ Accessed: <2020.05.22>.