非常事態宣言はどうして延長されたか(その1)~コロナウィルスのデータサイエンス(44)

まえがき

4日の政府の非常事態宣言の延長の条件が不明なので、いつ解除になるか(政府がいつ解除するのか)はその判断基準の推定から分析する必要があります。

この分析を書いて途中で、5月4日に、Google Reportが更新されたので、作業は中断して、本日は、Google Reportの更新データを見てみます。

なお、政府は、Google Reportのデータを見ていませんが、NTTドコモソフトバンクのデータはデジタルでは公開されていませんし、PDFイメージでの公開部分も限定されています。

 

 

 

東京都のの推移

図1は、感染者数経路と経路不明感染者数をプロットしています。

最近1週間のデータは、オレンジの線をいれてあります。最近は、経路不明者の比率が低くなっています。

 

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図1 東京都の経路不明感染者数

 

図2は行動制限のデータの比較です。すべて、7日移動平均(ma7)をかけてあります。

Googleからは、transitとretailのデータをとりました。NTTは新宿駅のデータ(4月の先頭は渋谷駅で代替)、そのほかに、ソフトバンク新宿駅、東京駅、吉祥寺駅のデータを載せました。

GoogleとNTTのデータの波形は似てますが、retailで15%、transitで13%くらいの差があります。

ソフトバンクのデータは、地点で値に差がありまが、波形はにています。しかし、データ期間が短いので、よくわかりません。

NTTの新宿駅のデータと、ソフトバンク新宿駅のデータはほぼ重なりますが、5%くらいずれているとこともあります。

NTTの新宿駅のデータとソフトバンクの東京駅のデータはかさなりません。東京駅の方が常に小さくなります。

 

まとめ

Googleに比べると、ケータイ2社のデータは行動制限を大きく見積もります。

Googleのデータは最新部分がないのですが、ソフトバンクの吉祥寺のデータがこれに近いです。

 

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図2 行動制限データの比較

 

図3は東京都の感染者数の推移です。いつも更新しているグラフですが、次の点を変更しました。

  • データの一部に、日付軸が1,2日ずれているミスがあったので、訂正しました。この訂正で、グラフは見やすくなりました。トレンドの傾向には変化はないので、今までの分析は引き続き使えます。

  • Googleデータは5月4日のレポートまで更新しました。しかし、その先はないので、参考までに、吉祥寺駅のデータを追加しました。

  • 経路不明感染者数の移動平均のグラフを追加しました。

 

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図3 東京都の感染者数の推移

 

図4も東京都の感染者数の推移です。これは、7日移動平均で、感染者数よGoogleのtransitだけを載せてあります。東京都以外の都道府県のグラフに合わせています。なお、図3以降では、行動制限の日付は2週間ずらしてあります。

感染差は、4月10日から減っています。ただし、行動制限の値は5月に入ると増加が止まっています。感染者数は、減っているようにも、見えますが、4月25日くらいまでの勢いはありません。

 

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図4 東京都の感染者数の推移

 

神奈川県の推移

図5は神奈川県の感染者数の推移です。やはり、4月10日前後をピークに減っています。

東京都同じように5月に入って減少傾向に陰りが見られます。

 

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図5 神奈川県の感染者数の推移

 

千葉県の推移

図6は千葉県の感染者数の推移です。やはり、4月13日をピークに減っています。

 

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図6 千葉県の感染者数の推移

 

大阪府の推移

図7は大阪府の感染者数の推移です。やはり、4月17日をピークに減っています。

感染者数の減少に陰りは見えません。

 

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図7 大阪府の感染者数の推移

 

 

北海道の推移

図8は北海道の感染者数の推移です。

5月1日頃をピークに減少に転じると思われます。

ピークが減少する行動制限率は、他の事例では-30%くらいが多いのですが、ここでは、-35から-40%とより大きくなっています。この差の要因にはmigrationが考えられます。

 

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図8 北海道の感染者数の推移

 

今回はここまでです。

政府の判断についての分析は次回にします。