14ビットの世界(4)~RGBワークフローへの道(8)(darktable3.0第108回)
ずいぶん、前書きが長くなったので、今回は実際のワークフローを示します。
RGBワークフローの情報
現時点では、RGBワークフローを知る最良の方法は、作者のAurélien PIERREさんのyou tubeを見ることです。しかし、これは、かなり難解です。PIERREさんは実際にdarktableを操作しながら、説明しているのですが、そのマウス操作の速度は、尋常ではありません。こんなに素早く、darktableを操作できるのかという点で、まず、目から鱗が落ちます。しかも、you tubeは長いものは、1時間40分もあります。この間、すごい速度で、操作と説明が続くので、筆者の集中力は20分くらいできれてしまい、結局小分けにしてみることになりました。
以下に参考にしたyou rubeを示しておきます。星印*はお勧めです。
Aurélien PIERREさん
future darktable 3.0 : handle any dynamic range efficiently with filmic RGB and tone equalizer 2019/09/2 *
https://www.youtube.com/watch?v=UuB9khJIrDI
Image processing and pixel pipeline in darktable 3.0 2019/11/13 *
https://www.youtube.com/watch?v=3FFU-Ltvm0I
Filmic RGB: remap any dynamic range in darktable 3.0 2019/11/30 *
https://www.youtube.com/watch?v=zbPj_TqTF88
Filmique darktable 3.0 filmic expliqués aux utilisateurs de darktable 2.6 2019/12/01
https://www.youtube.com/watch?v=9awBFYcPgGU
RGBワークフローの試行
以上の動画をだいたい見たレベルで、ワークフローを試行してみました。
まだ、間違いがある可能性がありますが、それは、darktable3.0のマニュアルが出た時点でチェックしたいと思います。
ともかくも、RGBワークフローを日本語で紹介した事例はないので、これが、本邦初公開になります。
スタート地点は履歴の画像の向き(このあとで、通常はベースカーブが使われる)とします。
露光を開いて、露出を白飛びしない最も明るい値に変更します。とはいえ、フレームに太陽が入っている場合には、白飛びしないようにはできないので、白飛びしにくいというレベルの話です。
次のステップですが、PIERREさんのyou tubeでは、すぐに、フィルミックRGB移行するのですが、たまに、レベルが小さい画像の場合には、事前に、レベル調整をかけた方がよいと思います。レベルが、フルレベルの場合には、この処理はいりません。レベルモジュールは2つあります。ここでは、新しいRGBレベルを使っています。古いレベルで問題があるかはまだ、試していません。次の例では、フルレベルになっている(ヒストグラムの右または左に空きがない)ので、このモジュールをつかっても、ほとんど差はでません。
また、フィルミックRGBのレベルの自動調整を使えば、このステップは不要かもしれません。
次に、本命のフィルミックRGBを使います。パラメータのシーン、ルック、ディスプレイの違いを正確に理解するのは、現時点では難しいです。資料は古いフィルミックモジュールの説明を読むことになります。
筆者の大まかな理解は、シーンが重みパラメータを変化させる、ルックが、関数系を変化させる、ディスプレイが基準グレイを変更するというものです。大さっぱで、間違っている可能性もあります。フィルミックRGBはダイナミックレンジに関する変換なので、基本的に、色合いを変えるものではありません。また、露光は、トーンイコライザーを使うので、ここでは変更になりません。
操作のポイントは、シーンで、最初に、ダイナミックレンジと中間グレーを変更して、そのあとで、白と黒を設定しします。白、黒、グレーはダイナミックレンジの転写図に対応していますので、図を思い出せば理解できると思います。
ルックモードでは、コントラストが一番使うパラメータだろうと思います。今までの、RAWのワークフローでは、モジュールが、単独で機能するように、説明されてきましたが、ローカルの機能を除けば、全てのRAW現像におけるダイナミックレンジの変更は、フィルルミックRGBのモジュールにS字型の曲線で示されているトーンマッピングカーブに行きつきます。フィルミックRGBは、これを一元的に行う目的で開発されたモジュールです。ダイナミックレンジ変換では、オーバフローとアンダーフローが発生すると、トーンマッピングカーブに、オレンジ色の直線が現れますので、どのような変換でも、オレンジ色の直線が現れない範囲にとどめることが原則です。
フィルミックRGが終了したら、トーンイコライザをつかって、ローカルトーンを調整します。フィルミックRGBがグローバルトーンマッピングをトーンイコライザがローカルトーンマッピングを分担します。シンプルのモジュールのスライダーの上ので一度マウスを左クリックすると、メイン画面の上でマウスのホイールを使ってローカルトーンが調整できるようになります。
RGBワークフローとベースカーブを使ったワークフローが混在させてはいけません。「シャドウとハイライト」「コントラスト、明るさ、彩度」は使ってはいけません。つかうと、せっかくのフイルミックRGBが台無しになります。
クローバルトーンとローカルトーンの調整では、トーンが変化するだけで、色につては、基本的には変更がありません。ですので、この後では、色の調整を行います。このジュールでなければということはありませんが、比較的使いやすいのは、カラーバランスモジュールで、最低限の調整は、彩度出力のスライダーの調整で可能と思われます。それ以外の微微調整は、お好み応じて行えばよいと思われます。
その他の調整で、ベースカーブとフィルミックRGBの影響を受けないモジュールについては、同じように使えます。幾何補正をする機能、レンズ補正、ノイズ除去などがこれに相当します。
サンプル1は元の画像です。
サンプル2がフィルミックRGBで補正した画像です。