地域振興のための写真撮影と処理(2)(darktable3.0第88回)

今回から、写真撮影と処理の説明をします。

ここでは、スマホコンデジでの利用を考えてた説明をします。

最初は、風景写真です。

dartableは画像現像ソフトです。

第1に、darktableの画像現像では、RAWとJpegの2種類の画像が扱えます。

スマホの場合、RAWファイルで画像が保存できる機種は一部で、原則Jpegファイルになります。何も言わずに、スマホで撮った写真という場合には、Jpegになります。

コンデジの場合には、最新の機種では、Jpegだけでなく、RAWで保存できます。少し古い機種では、Jpegだけの場合が多いです。

RAWは「生の」「処理する前の」という意味です。スマホコンデジは、撮影するとまず、内部にまずRAWファイルを作成し、これを、Jpegファイルに変換します。目で見える写真はJpegファイルになります。RAWファイルがそのままでは、目で見えませんが、これがあると再度Jpegファイルの作り直しができるので、編集の自由度があがり、編集による画像の劣化が少なくなります。

でうから、RAWがある場合は、RAWファイルを、Jpegしかない場合には、Jpegファイルを使います。

darktableには、次の2種類のワークフロー(編集モード)があります。

  • Labワークフロー:従来型の編集モード、Jpegやダイナミックレンジの狭いRAWファイル向け

  • RGBワークフロー:最新の編集モード、ダイナミックレンジの広いRAWファイル向け

ここでは、スマホコンデジを例にしますので、Labワークフローの説明をします。レンズ交換式カメラをお持ちの方は、RGBワークフローがお勧めです。

風景写真の撮り方の基本

カメラの設定

画角は広角か標準になります。

コンデジスマホで、絞り優先モードが使える場合には、F8くらいに絞りを絞ります。

光量が少なく、ISOが上がってしまう場合には、Fはもう少しちいさくします。コンデジの場合には、F値が小さくても、距離が遠ければ、ボケることによる問題はありません。

基本は、絞りを絞って、できるだけ、隅々までピントのあった写真をとることになります。

風景は、動かないので、三脚を使って、シャッター速度を大きくとることも有効です。

コンデジスマホはダイナミックレンジが狭いので、明暗の違いが大きなシーンは苦手です。

明るい太陽が直接入るような構図はさけます。

風景では、何を撮りたいのかが、明瞭でないことが多いと思います。

たとえば、新録や紅葉を撮る場合には、特定の木をに重点が置かれることはなく、全体のカラーバランスが重要になります。

一方、風景では、風景を見る人の視点は重要になります。写真を見て、見た人があたかもそこに立って、風景を見ているように感じさせることがポイントになります。

このためには、風景に見る人の代わりになる人物を登場させる手法を使うこともあります。良いモデルが得られれば、この方法も有効ですが、近景と遠景の双方のバランスをとる必要があり、補助光を使ったりして、撮影の技術としては、初心者向けではないので、お勧めできません。

画像編集をする前提であれば、トリミングがあるので、最終的にできる画像より広角の写真にします。

水平線は、後で、調整は出来ますが、できるだけ合わせた方が無難です。

大事な点は、ゴミが写らないようにすることです。

何がゴミかは、主観になります。

いわゆる白いポリ袋が落ちていれば、もちろんゴミですが、これ以外に、電線、紅葉を撮るときの緑色の葉、枝の折れた木、看板、派手な色の自動車など、見ない方が美しく感じられるものは全てゴミになります

ゴミが画像の周辺に写っている場合には、あとでレタッチで対応できることもありますが、画像の中央にある場合にはお手上げです。

サンプル1は、ベルサイユ宮殿の前の広場です。左下の女性は外したつもりが写っていました。

この場合には、人が多いので、人物を全部外すことはできません。

人物のサイズを小さくする、できるだけ、印象の悪い人物を避けることになります。

観光地ですから、ある程度観光客がいるのは自然です。右の右手に輪のようなものを持った黒い服の男性は物売りです。できたらこれはいれたくありません。

 

f:id:computer_philosopher:20200118082340p:plain

サンプル1 元画像

 

サンプル1をトリミングした例です。左下の女性は、トリミングでのぞけますが、物売りの男性は無理です。

 

f:id:computer_philosopher:20200118082411p:plain

サンプル1 トリミング画像

 

レタッチで、右の黒い服の男性を消去しました。細部拡大するとおかしなところのある画像ですが、このサイズのままで、レタッチされた場所が画像の周辺部であれば、目立たなくすることはできます。

 

f:id:computer_philosopher:20200118082455p:plain

サンプル1 レタッチ画像

 

 

 

撮影の時期

 

良い風景写真の最大のポイントは撮影の時期です。

新緑は春に、紅葉は秋にしか、撮影できませんし、その時期でも、特にきれいな時期は数日です。

また、撮影日は晴れていないと色がでません。

撮影時期が狭いと撮影は困難になりますが、困難さに反比例してきれいな写真は撮れることが多いと思われます。例えば、寒冷地であれば、春から夏への開花は、一度に集中して起こりますので、きれいなお花畑の写真が撮れます。温暖な地域では、いつでも、花が咲いている一方、お花畑にはなりません。

1日のうちの風景写真の撮影のゴールデンタイムは、日の出と日没の前後にあると言われています。これは、光線が刻々と変化するために、多様な写真が撮れるためです。これは、極端な話で、しかも、真実です。

逆にいうと、最悪の時間帯は、お昼前後になります。

日帰り可能な距離に撮影したい場所があったときに、半日車で移動して、昼食を食べながら、ぞの前後で撮影する。そして、残りの半日で帰路につく。これが、日帰り旅行の鉄則と思いますが、これは、撮影上は最悪のスケジュールです。風景が美しく見えるのは、直射光と反射光のバランスにあります。太陽が真上にあるきは、コントラストが強すぎるのでダメなのです。日帰り旅行の場合には、出発時間をずらして、撮影時間が昼になることを避けましょう。