日米会談の下地

1)CNNインタビュー

 

中央日報は、岸田首相のCNNとのインタビューを次のように伝えています。

岸田首相は日本の首相として9年ぶりの米国国賓訪問を控えて2024年4月7日(現地時間)に公開された米国CNN放送とのインタビューで、日本の安全保障政策(defence policy)の大転換を公式化して、「歴史的な転換点(historic point turning point)」と命名しました。1947年戦後米国主導で平和憲法が作られた後、77年ぶりに日本が国家安全保障のために戦争することができる「一流国家」になったという宣言を米国でするものとみられます。

<< 引用文献

岸田首相、“戦争可能な正常国家”公式化…「歴史的転換点に直面 2024/04/09 中央日報

https://news.yahoo.co.jp/articles/54537734f5679dc35bec4834e3ff3488d0ac55f9

>>

 

中央日報の記事は、増幅された表現が多いのですが、反面分かり易くなっています。

 

中日日報は、人権優先の平和憲法から、法度主義の戦争ができる「一流国家」という転換があったとまとめています。

 

つまり、ミームの切り替えが起こった可能性があります。

 

CNNのもとの記事の日本語版は、以下のようになっています。

 

 

東京(CNN) 岸田文雄首相は7日、今週予定されるバイデン米大統領との注目の首脳会談を前にCNNのインタビューに応じた。地政学的緊張の高まりで世界は歴史的転換点( “historic turning point”、英語版)に近づいており、日本は防衛姿勢の変化を迫られているとの認識を示した。

 

岸田氏は東京で行われたインタビューで、ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢、東アジア情勢を見るに、我々は歴史的転換点に直面していると述べた。

 

日本が防衛力を抜本的に強化する決定を下したのはそれが理由だとし、こうした面で安全保障政策を大きく転換したと説明した。

<< 引用文献

岸田首相、世界は「歴史的転換点」と警鐘 首脳会談前に日米同盟アピール 2024/04/08 CNN

https://www.cnn.co.jp/world/35217464.html

Japan’s Kishida warns world at ‘historic turning point’ as he touts US alliance ahead of Biden summit  2024/04/08 CNN

https://edition.cnn.com/2024/04/07/asia/japan-kishida-us-defense-intl-hnk/index.html

>>

 

「歴史的な転換点(historic point turning point)」という記述があります。

 

この用語は、「世界は歴史的転換点」と「我々は歴史的転換点に直面」に使われています。

 

後者の原文は以下です。

 

“As we are witnessing Russia’s Ukraine aggression, the continuing situation over the Middle East, as well as the situation in East Asia, we are faced with a historic turning point,” 

 

この我々(we)が誰を指すのかが問題になります。

 

中央日報は、「日本(の安全保障政策)」と書いています。

 

しかし、今回の会談は、日米フィリピンの軍事協力を目的にしているので、我々(we)は、日米フィリピンを指すと考えるべきです。

 

「戦争することができる「一流国家」」という表現は、CNNにはありません。

 

しかし、日本語版のCNNでは英語版にあった次の見出しが削除されています。、

 

Moving away from pacifist past (平和主義の過去からの脱却)

 

‘Stronger than ever’ ('これまでよりも強い')

 

なので、中央日報が、間違いであるとは言い切れません。

 

CNNは、会談を日米フィリピンの問題として扱っています。

<< 引用文献

日米比、首脳会談前に結束強化 中国への懸念から 2024/04/10 CNN

https://www.cnn.co.jp/world/35217580.html

>>

 

2)台湾海峡の課題

 

日米フィリピンの問題には、台湾海峡の問題が含まれます。

 

アメリカは、オバマ政権の時に、中国の海洋進出(島に基地をつくる)に対して、対策を講じませんでした。

 

日本は、アメリカ以上に、中国の外交に無関心でした。

 

韓国は、経済酢域内の中国の漁船に放水し、中国の漁船を拿捕しています。

 

日本は、何もしていません。

 

日本は、軍事費をGDPの2%にする計画ですが、2%になっても、中国に対する軍事的な劣位に変化はありません。

 

日本には、地下資源がありませんので、占領に伴う経済的な価値が小さいです。

 

これが、日本が侵略されなかった原因です。

 

地下資源がない日本の資源は、人材だけですが、人材は流出しますので、占領にメリットはほとんどありません。

 

現実問題として、日本は、アメリカの占領下にあります。

 

占領された場合の不具合の半分くらいは、現存しています。

 

かつて、イギリスが、シンガポールや香港を押さえていたように、日本には、海洋国家の軍事基地としても価値があります。

 

不沈空母の価値です。

 

わからないことが多すぎますが、日本のマスコミ報道には、バイアスがあるので、CNNを使うべきです。