ペンタックスは、1997年に、smc Pentax-FA 43mm f/1.9 Limited の2 年後、1999 年に、smc Pentax-FA 77mm f/1.8 Limitedを、2001年に、smc Pentax-FA 31mm f/1.8 Limitedを発売しました。
ペンタックスのレンズでは、スターレンズが最上位にランクされます。
Limitedは、2番目になります。
Pentaxforums.com では、smc Pentax-FA 77mm f/1.8 Limitedが、「史上最高のペンタックス レンズ」に選ばれました。2位は、smc Pentax-FA 31mm f/1.8 Limitedです。
つまり、Limitedレンズの評価は、スターレンズを越えています。
FAはフルサイズを意味します。1997年から2001年は、フィルムカメラの末期でした。
デジタルカメラは黎明期です。
フルサイズセンサーのデジタルカメラのK-1の発売は、2016年です。
Pentaxforums.comの評価は主に、フィルムカメラによると思われます。
Wikipediaによると、Limitedレンズには次の特徴があります。
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有名な日本の写真家、故大竹正二氏は、コンピューター支援設計を使用して「うまくテストできる」レンズを設計し、テストチャートを評価するという典型的な方法を避けることを提案しました。彼の提案により、開発チームはその方法論を却下し、代わりに男性によるプリントの評価という細心の注意を払ったプロセスを採用しました。
ある程度の像面湾曲を受け入れることで、非点収差と色収差を最小限に抑え、焦点の合っていない境界(ボケ味)を微調整することができました。このパラダイムの意図的なシフトのおかげで、数値化するのは難しいものの、利益が得られました。数字で見ると、画像を見ると具体的にわかり、リミテッド レンズのいわゆる 3D レンダリングを説明するのに役立ちます。これらの設計の選択により、ポートレート撮影や被写体の分離に適したレンズが得られます。
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発売から20年が経過した2020年ころから、リニューアル版が出ています。
リニューアル版の像面湾曲はどうなっているのかは不明ですが、基本的に、デジタル時代のレンズ設計では、像面湾曲は、残しません。
例えば、銘匠光学 TTArtisan AF 27mm f/2.8 Cには、像面湾曲がありますが、この単語は悪い意味で使われています。
それでは、Limtedレンズのように、像面湾曲を残したレンズが皆無かというと、少数の例外があります。
M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8は、OMDSは、「ママのためのファミリーポートレートレンズ」というキャッチで販売しています。これは、入門用の安価なレンズなので、ペンタックスのLimtedレンズのような手作りの工芸品ではありませんが、光学設計が、像面湾曲を残している点では共通しています。
lensrentalasの記事をみれば、像面湾曲が残されていることが明らかです。
ペンタックスが、Limitedレンズを販売するときに、高価なレンズは、大きくて重いので、小型で、高価なLimitedレンズが売れるか問題になったそうです。
結果的には、Limitedレンズは、小型で、高価なレンズという新しいマーケットを作りました。
OMDSが、45mm F1.8で、像面湾曲を残せた理由は、レンズが安価なMFTでは、同じ画角のレンズでも、色合いが異なれば、レンズが売れると考えていたためと思います。
これは、MFTでは、パナソニックとOMDSが、ほぼ同じ画角のレンズを販売するので、レンズのキャラが完全にかぶらない工夫でもあります。
OMDSも、高価で、大型のレンズには、像面湾曲を残すという冒険をしていません。
OMSDの入門レンズでは、25mmF1.8と45mmF1.8が、ボケが綺麗なレンズであるという人もいます。
しかし、25mmF1.8が、像面湾曲を残しているかは確認できませんでした。
OMDSの45mmF1.8が、意図的に、像面湾曲を残している点を説明した解説はみませんが、45mmF1.8は、隠れLimitedレンズだと思います。
OMDSは、「被写体がくっきり浮き上がる印象的な撮影が可能」といいますが、これは、「リミテッド レンズのいわゆる 3D レンダリング」に対応していると思われます。
https://en.m.wikipedia.org/wiki/Pentax_FA_77mm_Limited_lens