防衛予算と猫理論

1)日中の経済成長の違い

 

日本は、失われた30年と言われ、過去30年間経済成長しませんでした。

 

この場合の比較対象は、主に先進国です。30年間で、先進国の平均で、経済規模が2倍になっていますが、日本は、変わっていません。

 

中国のGDPは1990年が1,896.93(10億人民元)、2020年が102,562.84 (10億人民元) ですから、54倍になっています。

 

日本のGDPは1990年が462,837.30(10億円)、2020年が539,082.40 (10億円) ですから、1.2倍になっています。



日本は、2倍にすら届きません。

 

この違いは、猫理論で説明できます。

 

「経済が生産性を発展させることができる限り、社会主義の計画と、資本主義の市場の両方を実際に使用することができます」



つまり、猫理論は、市場経済と計画経済のベストミックスを、エビデンスに基づいて、科学的探索しています。

 

習近平政権が「共同富裕(皆が共に豊かになる)」に舵を切っていますので、猫理論を放棄している可能性があります。

 

日本は、2000年代に、規制緩和といって、非正規雇用を拡大して、労働者の3分の1が非正規雇用になっています。

 

年功型雇用の社会主義経済と、労働市場のある資本主義経済のどちらにも属さない封建制度を復活させています。つまり規制緩和は、社会主義経済を放棄しましたが、市場経済にはなっていません。

 

猫理論 によれば、こんなことをすれば、経済は破綻します。

 

日本が、失われた30年になって原因は、科学的な猫理論を無視したためです。

 

現在の政策も、市場経済と計画経済のどちらにも属さない封建経済が横行しています。これは、ガソリンの補助金を考えればわかります。

 

猫理論のポイントは「生産性を向上」です。市場経済と計画経済のどちらが、生産性を向上させられるかを、計測して、エビデンスに基づいて、市場経済と計画経済のベストミックスを探索します。この比率は、データに基づいて変更されます。

 

2)防衛予算

 

防衛予算を倍増する計画が動いています。

 

アメリカのネオコンは、武器を売って利益をあげますので、これは、ウェルカムです。

 

今まで、防衛費は、GDPの1%が目途でした。これを2%にする計画です。

 

しかし、ここには、数字のトリックがあります。

 

国債の返還金、社会保障費、地方交付税を除くと、予算は、35兆円しかありません。

 

防衛費は、5兆円です。防衛費は、生産性の向上には寄与しません。これは、35兆円の15%に相当します。

 

仮に、防衛費が、10兆円になれば、生産性の向上に寄与しない部分が10兆円になります。

分母の35兆円が変わらないとすれば、予算の30%が生産性に寄与しないことになります。

 

つまり、猫理論によれば、防衛予算の倍増は、生産性の向上の足をひっぱります。

 

実際に、鄧小平は、猫理論を実践するときに、生産性の向上に寄与しない軍隊の削減をおこなっています。

 

軍隊は必要だと思いますが、経済力に見合わない軍事費をは、経済を疲弊させます。最悪の例は北朝鮮です。

 

猫理論によれば、日本の予算の構成と経済の生産性の低さを考えれば、GDPの2%は、実現不可能な水準と考えられます。

 

経済を建て直してから、防衛費を増やさないと、北朝鮮並みの経済になります。

 

現在の日本の経済政策は、経済の生産性で政策を選別するという猫理論を無視しています。

 

これは、科学を無視しています。



引用文献

 

Chinese Terminology: Black Cat White Cat 2018/11/28 By Zheng Chunying, Sun Zhifu

https://news.cgtn.com/news/3d3d414d7741544f30457a6333566d54/share_p.html