10-5)オブジェクトとインスタンス
病院で、初めてマイナンバーの読み取り機を使いました。
結果は、読み取りエラーで読むことができず、保険証に戻りました。
取り合えず、マイナンバーの読み取り機がどんなものかわかりました。
箱の底にマイナンバーカードを水平において読みます。
読み込みは、30秒くらいかかってエラーになりました。
カードが読めた場合には、パスワードを入力するか、顔認証を使う選択できるそうです。
マイナンバーカードは欠陥システムです。
デジタル庁が、優先順位トップで行うべき施作は、マイナンバーカードの停止であったと考えます。
問題点は以下です。
(S1)設計上の仕様書が不適切です。
読み取りの時間、エラー率などのスペックが適切に設定されていません。
(S2)セキュrィティに関するルールが決められていません。
マイナンバーにリンクされた内容が、当事者以外にも見られていることが分っています。
しかし、それ以前にセキュリティルールが設定されていません。
だれが、どこまで、何を見ることができるのか。
スマホの位置情報のように、情報の公開レベルの設定を変更できるのか。
セキュリティシステムは、変数(オブジェクト)とアルゴリズムで出来ています。
マイナンバーの読み取り機では、カードというオブジェクトを取り扱います。
つまり、エラーの発生も、エラーの修正も、、変数(オブジェクト)とアルゴリズムのレベルで行うことになります。
筆者のマイナンバーカードというインスタンスでエラーが発生しました。
しかし、筆者のマイナンバーカードだけを読めるようにするような修正はできません。
筆者のマイナンバーカードと同じように読み込みエラーが発生するデータカードというオブジェクトを対象に、システムを修正する必要があります。
システムを理解する上では、変数(オブジェクト)を問題にしなければなりません。
出て来る話は、全て、インスタンスばかりです。
これから、次のことがわかります。
(T1)アルゴリズムのレベルで問題を理解できている人がいない。
(T2)アルゴリズムが理解できていないので、システムの修正(改善)はできない。
プロジェクトベースのデジタル庁の組織に問題があると言われてますが、組織が、モジュールを考えていないと思われます。
使い物にならない専用読み取り機の問題は、COCOAの時にもありました。
おそらく、DXより、専用読み取り機の利権が優先した結果と思われます。
顔認証やパスワードを使うのであれば、専用の読み取り機は不要です。
NHKは次のように伝えています。(筆者要約)
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公金受取口座に家族名義とみられる口座がおよそ13万件確認された問題でデジタル庁は、ことし2月ごろに2件把握していたと発表していましたが、国税庁の担当者はさらに3月にも3件見つかり、デジタル庁に報告していいました。
河野大臣は「イレギュラーな事案があった時は、直ちに情報を共有するよう指示を徹底しているはずなので、非常に申し訳ないと思う」と述べました。
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「情報共有」はシステムに載っているはずですが、そうなっていないように見えます。
いまどき、口頭やファクスではないはずです。
最近、日本では、名前を聞かくなくなりましたが、ウィキペディアによれば、オードリー・タン(唐 鳳)氏は、2022年8月27日に新たに設置された数位発展部の初代部長に就任しました。
数位発展部の業務範囲は、情報、電気通信、コミュニケーション、サイバーセキュリティ及びインターネットの五大領域の企画振興を行うとともに、デジタル技術応用、デジタル経済産業発展の政策を担当する。また、資通安全署において、サイバーセキュリティ政策及び計画の企画・指導を行うとともに、国家レベルにおけるサイバー防護演習、インフラ防護の業務を行うことです。定員598人のほか、組織法の規定により最大300人の契約職員を雇用できます。
大臣は、お飾りなので、内容が理解できなくても務まるという考え方は限界にきています。
しかし、オードリー・タン氏がデジタル庁のトップであれば、結果は違っていたはずです。
ITでは、変化速度が大切です。
「新しい資本主義実現会議」では、2018年(5年も前)の生成AIをいまごろ重点項目に上げています。
アップルは、「ビジョン・プロ」を出しました。今の時点では、入り口だけで、全貌は不明です。
アップル自身も、7割くらいしか読めていない可能性もあります。
「ビジョン・プロ」を出すためには、半導体、ソフトウェアなどの動向を身ながら開発を進めます。技術開発予測の精度を上げるには、分野ごとお高い専門知識が必要です。パーツは、急速に価格が下がり、性能が向上します。これらのバランスをみながら、どの時点で、どこまでの技術開発を進めて、市販品のこぎつけるかは、非常に難しい判断です。
次のステップでは、生成AIと「ビジョン・プロ」がリンクすると思われます。
2005年頃に、クラウドが出てきたとき、アップルがiPhoneをだしたとき、その全貌が見えて人は、ほとんどいませんでした。
ITは、スピートが大切です。
技術が読めない人がトップにいれば、足手まといになって、沈没してしまいます。
2023年6月13日の日経新聞によると。トヨタは、2027年に、全固定電池EVを投入する計画だそうです。しかし、2027年時点では、試作レベルで、かなり高価になると予測しています。
丸川知雄氏は、中国のEV事情について次のように述べています。(筆者の要約)
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2020年には42万台弱しか自動車を作っていなかったBYDは、2022年には、188万台(BEVを92万台、PHEVを95万台)生産し、EV生産台数で世界トップに立った。テスラは世界全体ではBEVを131万台生産して世界2位であったが、そのうち72万台弱は上海の工場で生産した。
「日本経済新聞」2023年4月7日付によると、BYDは深圳、西安、長沙など全国8か所の工場を持ち、その生産能力は2022年末で総計290万台にも上る。2023年末には生産能力を430万台にまで引き上げる可能性があるという。
一般論としてEVは通常の自動車よりも急ピッチで工場の生産能力を拡大できる。
日経新聞の記事によると、BYDは2023年には生産台数をさらに2倍にして、年産360万台を目指している。もしBYDの成長の勢いがこのまま続けば、2023年か、2024年には日産(325万台)とホンダ(387万台)を追い抜く可能性がある。
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シドニー工科大学・豪中関係研究所のメンバーは次のよう指摘しています。(筆者の要約)
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最近の統計では、中国は既に日本を追い抜き、世界最大の自動車輸出大国となっている。
日本の自動車メーカーは、中国市場でも苦戦している。中国では国産車のシェアが拡大しており、日本車の売り上げは急減している。2023年3月の日産自動車の中国における新車販売台数は前年比25%減、ホンダとトヨタ自動車も約19%減となった。
国際エネルギー機関(IEA)の報告書によると、中国は2022年、世界のEV輸出市場の約35%(前年比+10ポイント)を占めた。
もの拡大だ。
日本のEV市場でのシェアは、2018年は約25%あったが、2022年には10%以下に落ち込んでいる。
自動車産業は直接および間接的に約540万人、つまり日本の労働人口の約8%を雇用している。自動車と自動車部品は、2022年の日本の輸出総額の18%に相当する1360億ドルを稼ぎ出した。このような状況で、世界のEV市場で中国が圧倒的な競争力とシェアを獲得しつつあることは、日本経済にとって大きな危険をもたらす恐れがある。
環境保護団体クライメート・グループの最近の報告書によると、このまま日本の自動車メーカーがEV市場で伸び悩めば、将来的には170万人の雇用と数十億ドルの利益を失う恐れがある。それは日本のGDPが14%落ち込むことにつながりかねない。
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北米では、フォードとテスラが提携して、テスラ方式の充電網を共用することがきまりました。
以上を考えると、2027年の全固定電池では、トヨタのEVのシェア保持には、間に合わないことがわかります。自動車の太陽年数は10年程度あるので、一度シェアを失えば、それを回復することは容易ではありません。
テック企業や、テック政府では、中枢にエンジニアがいて、何よりも迅速な判断ができなければ、生き残れません。前例主義では、最初から、レースに参加する資格がなくなります。
引用文献
突然躍進したBYD 2023/05/18 Newsweek 丸川知雄
https://www.newsweekjapan.jp/marukawa/2023/05/byd.php
衰える日本の自動車産業...日韓接近を促した「世界最大の自動車輸出大国」中国の電気自動車 2023/06/06 Newsweek コーリー・リー・ベル、エレナ・コリンソン、施訓鵬(シー・シュンポン)(いずれもシドニー工科大学・豪中関係研究所)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/06/post-101823.php
混迷のEV充電規格戦争に衝撃 フォードとの提携でテスラ方式が北米の標準になるか?2023/06/09 Newsweek
https://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2023/06/ev-45.php
河野デジタル相 “自身を処分” マイナンバーめぐるトラブルで 2023/06/09 NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230609/k10014095321000.html
河野デジタル相 “マイナンバー公金口座 本人名義に修正を” 2023/06/09 NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230609/k10014094861000.html