科学的な方法の出来ない人はクビにすべきです

1)科学の方法

 

(この節は、別の目的で作成した原稿のコピーです)

 

ソフトウェアの開発プロジェクトでは、アジャイル開発など、開発手順の改良が試みられています。

 

より、古典的な製品開発プロジェクトでも、量産品を作る前に、複数の試作品を作成して、比較検討して、絞り込みをします。

 

試作品を作る前には、コンセプトをもとに、複数のスケッチを作成して比較します。

 

つまり、コンセプト(目的)に対しては、スケッチを含む設計図、試作品、量産品の順に、ブリーフの絞り込みを行います。

 

こうした正しい手順を踏まずに、いきなり量産品を作れば、企業は倒産してしまいます。

 

パースは、「ブリーフの固定化法」で、科学的な方法を推奨していますが、その内容については触れていません。

 

製品開発プロジェクトをみれば、科学的な方法は、常に、テストして、改善されている方法であることがわかります。

 

ラフスケッチを含めれば、設計図は、100枚のオーダー、試作品は10個のオーダー、量産品が1個です。量産品が売れれば、派生モデルを作成しますが、売れなければ、撤退して、最後の量産品が0個になります。

 

2)マイナンバーカードの怪

 

「科学的な方法は、常に、テストして、改善されている」ことが原則です。

 

試作品はテストします。

 

ソフトウエアであれば、アルファ・テスト、ベータ・テストと2回の実地テストをして不具合がないかを点検します。

 

それでも、エラーを見落として、リコールが発生します。

 

コロナウィルスのCOCOAは最後まで、使いものにになりませんでした。

 

これは、ソフトウェアであるにもかかわらず、アルファ・テスト、ベータ・テストがきちんと行われていなかったことを意味しています。

 

つまり、企業であれば、つぶれています。

 

マイクロソフトWindows95などの基本設計を担当したプログラマーの中島聡氏は、ウィンドウズ95 は3500個ものバグを残したまま製品化したといっています。

 

このようにソフトウェアには、バグはあります。しかし、致命的なバグはとっておく必要があります。

 

COCOAは致命的なバグがとれていませんでした。

 

荻原博子氏は、マイナーバーカードの保険証には致命的な問題があるといいます。

 

指摘されてている問題の例の一部を取りあげます。

 

(1)診察券が使えない

 

今の保険証は、月初めに一度だけ窓口で見せればいいという病院が多いのですが、「マイナ保険証」になったら、毎回窓口で提示しなくてはならなくなります。

 

これは紛失のリスクが高くなりますが、再発行にはとても時間がかかります。

 

(2)医療情報にはリンクしていない

 

マイナンバーカードには、医療費の支払い情報にしかリンクしていません。

 

救急車で意識不明で搬送されるときに、必要となるアレルギーなどの情報とはリンクしていません。

 

医療情報は、医師の間で、共有すべきですが、現在の医師法守秘義務は、クラウド上での患者情報の共有と守秘義務のルールが決まっていません。

 

これは、医療情報の守秘義務をレベル管理しなければ、無理だと思われます。

 

体温や血圧といった遺伝子レベルはない情報と遺伝病のような情報をを分ける必要があります。

 

(3)介護施設では使えない



介護施設で「マイナ保険証」を預かっていたとしても、4桁の暗証番号も教えてもらわなければ役に立ちません。

 

ところがこのパスワードがわかると、マイナポータル(政府が運営するウェブサイト)にログインでき、納税情報や年金情報、医療情報などを見ることが可能になります。

 

ですかた、介護施設に、「マイナ保険証」を預けられません。

 

3)まとめ

 

荻原博子氏は、「マイナ保険証」に問題があるといいます。

 

それは確かですが、「マイナ保険証」を実施する前に、アルファ・テスト、ベータ・テストがきちんと行われていないことに問題があります。

 

ABテストが行われた痕跡もありません。

 

試作品の「マイナ保険証」には、アルファ・テスト、ベータ・テストが行われていないことがわかります。

 

「毎回窓口で提示」は、「マイナ保険証」が、スタートした後で、厚生労働省が決めたようです。

 

厚生労働省は、権威の方法で「マイナ保険証」を押し通せると考えているフシがあります。

 

厚生労働省は、科学の方法を無視しています。

 

渡瀬裕哉氏は、オリンピック汚職の原因は、オリンピック委員会に、イベントの管理積算能力がなかったことが原因であると指摘しています。

 

厚生労働省には、科学の方法を使って、「マイナ保険証」のプロジェクトを管理する能力はありません。

 

解決策は、「マイナ保険証」のプロジェクトを管理する能力のない人をクビにして、「マイナ保険証」のプロジェクトを管理する能力のある人を雇用することです。

 

権威の方法を振り回せは、事後が多発します。

 

COCOAは使わなくとも、実害はありませんでしたが、紙の保険証がなくなれば、「マイナ保険証」を使わざるを得なくなります。大きな問題が発生します。

 

ここで起こっている問題は、オリンピック汚職と同じ構図です。

 

これは、ジョブ型雇用をしている日本以外の国では、起こらない問題です。



引用文献

 

「マイナ保険証」のせいで健康保険が「崩壊」するかもしれない…その決定的な問題点 2023/04/20 現代ビジネス 荻原 博子 

https://gendai.media/articles/-/108891

 

汚職の祭典」オリンピックの透明性を高める改革の必要性──今後の国際イベント実施への影響 2023/03/27 Newsweek 渡瀬 裕哉

https://www.newsweekjapan.jp/watase/2023/03/post-40.php