(1)ETTRとの基本
RAW画像の最適露光は、ETTR(Exposing To The Right、右側合わせて露出)です。この名称は、ヒストグラムの右が切れない一番明るい露光からきています。ダイナミックレンジをとるため、ISOを一番低い、基本値に設定して、ETTRは、白飛びしない範囲で一番明るい露光になります。カメラのモニターの画像の明るさは無視します
ETTRのが最適露光である理由は以下です。
(1)白飛びを最小限に押さえる。
(2)平均露光を無視する。
白飛びしたピクセルには、情報がありませんので、画像処理ができません。
より正確に言えば、RGBのピクセルの全てのピクセルが白飛びしている場合には、白飛びのピクセルに値を入れないと、RAW現像の編集が効きません。
ここまでは、RAW現像の基本です。
さて、darktableのマニュアルには、あっさり、ETTRと書いてあるだけです。
しかし、ETTRの持つ意味は深刻です。
例えば、Adoveの「Lightroomことはじめ」を見ても、撮影時の条件には触れていません。
プロの撮影方法の解説でも、露光の設定が3分の1位をしめています。
darktableで、RAW現像する場合には、露光は、どのシーンでも、ETTRです。
悲しいかな、ETTRの露光モードを持ったカメラは無いようです。
ETTRは、概念上は、白飛びをゼロにする条件で、一番明るい露光です。
しかし、実際には、太陽、電灯などの光源は、必ず白飛びしてしまうので、光源を除いて、白飛びをゼロにする条件で、一番明るい露光です。
これは、時間をかけて撮影できる場合を除いて困難になります。
白飛びを避ける設定は各社あります。
ニコン:「アクティブD-ライティング」
キヤノン:「オートライティングオプティマイザ」と「高輝度側・階調優先」、
オリンパス:「階調オート」
フジフイルム「拡張DR」
更に、HDRもあります。
これらは、Jpegでは、効きますが、RAWではどうなるのでしょうか。
筆者は、今まで、効果がわからないので、使っていません。
この際、次回から、順番に、各社の白飛びを避ける設定をチェックしてみようと思います。