3)シーン参照ワークフローに関する注意
darktabkeのRAW編集では、シーン参照ワークフローが推奨されています。
その理由は、次の通りです。
(1)Lab色空間のワークフローは、ダイナミックレンジが7から8EVを越えると破綻して、パラメータ間の独立性がなくなる。その結果、一部の修正によって、他の部分も修正しなければならない事例が頻発する。
(2)ベースカーブによるRAWからRGBへの変換は、RAWに含まれるグラデーション情報を飛ばしてしまう。目のフュージョンを考えれば、S字の変換曲線を使う方がよい。
シーン参照ワークフローでは、カラーバランスRGBモジュールが導入されています。
このモジュールによる色変換は、非常に、頑強です。おかしな色が発生することは稀です。
一方、スポットで、一部だけの色を変えることには向いていません。
RAW編集では、ダイナミックレンジの問題があるので、表示参照ワークフローは避けるべきです。pixls.usの議論では、表示参照ワークフローが混入することはありませんが、You TubeやHPでは、2つのワークフローの混用をしている例もみかけられます。
Jpeg画像のダイナミクスは、最大でも8EVしかありません。つまり、Jpeg画像の編集では、表示参照ワークフローを使うこともできます。
具体的には、カラーバランスモジュールでは、Jpegの編集では、このモジュールが、有効に使えます。
写真1は、元の画像です。
写真2は、カラーバランスモジュールで編集しています。
写真1と写真2を比べると空の部分の明るさを変えずに、木の部分の明るさだけがかわっています。
写真3は、Irfanviewで、ガンマ補正をかけています。ガン補正をかけると木の部分は明るくなりますが、同時に、空の部分も明るくなってしまっています。