EF-M交換レンズの選択(1)

2021/12/09の「BEST OF LENS]に、Sharon Advik氏が、EOS Kiss M(M50)に最適なレンズの記事を書いています。

 

参考になるので、要点をみておきます・

 

1)推奨レンズのリスト

 

推奨レンズのリストは以下です。

 

原文には、詳しい解説がついていますが、以下では省略します。

 

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1 キヤノンm50に最適なレンズはどれですか?

1.1 シグマ50mmF1.4:(キヤノンm50に最適なレンズ)

1.2 Canon EF-M 22mm F2 :(キヤノンm50マークiiに最適なレンズ)

1.3 Canon 11-22mm f / 4-5.6:(キヤノンm50vloggingに最適なレンズ)

1.4 シグマ56mmF1.4:(キヤノンm50に最適なポートレートレンズ)

1.5 シグマ105mmf/ 2.8 :(キヤノンm50に最適なマクロレンズ

1.6 キヤノンEF-M18-55mmf / 3.5-5.6 :(キヤノンm50に最適なレンズ)

1.7 Canon EF-M 18-150mm f / 3.5-6.3 :(キヤノンm50に最適なオールラウンドレンズ)

1.8 シグマ16mmf1.4:(ユーチューブのキヤノンm50に最適なレンズ)

1.9 シグマ30mmf/ 1.4 :(キヤノンm50に最適なプライムレンズ)

1.10 キヤノンEF-M55-200mmf / 4.5-6.3 :(キヤノンm50マークiiに最適なポートレートレンズ)

1.11 タムロン18-200mmf/ 3.5-6.3 :(キヤノンm50に最適なスポーツレンズ)

 

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以下、気になる点をチェックしておきます。

 

2)標準ズームは何が良いか

 

現在の標準ズームのキットレンズは、15-45mmです。

 

しかし、Sharon Advik氏は1.6で、古い製造中止のEF-M18-55mf / 3.5-5.6を推奨しています。

 

標準ズームは何がよいのでしょうか。

 

2016年のOPTICAL LIMITSは、15-45mmを次のようにレビューしています。

 

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周辺光量落ちは、15mm開放で3.6EVのとてつもなく大きな値で、周辺光量落ちのレコードを更新した。これはAPS-C用のグラフの目盛りの2倍を超える値で、F11に絞ってさえ周辺光量落ちはまだ1.4EVある。28mmでは、周辺光量落ちはそれほど悪くはなく(開放で1.09EV)、F5.6まで絞ればほぼ問題はなくなる。45mmでは問題はない。残念ながら、周辺光量落ちはこのレンズの大きな弱点だ。

 

解像力は15mm開放時が最も弱く、このとき中央の解像力は素晴らしいが、隅は甘い。しかし、F5.6-8に絞ると、解像力は改善し、画面全域でとても良好な画質になる。望遠側にズームすると中央の解像力は徐々に低下するが、隅は開放からとても良好な解像力だ。回折の影響はF11以上で見られる。このレンズの解像力は、とてもしっかりとしている。

 

倍率色収差は、隅で1ピクセル前後でとても穏やかだ。

 

15-45mm F3.5-6.3 は、最高に輝いているレンズではないかもしれないが、とてもしっかりとした性能のレンズだ。このレンズは、15mm開放時を除けば非常にシャープで、歪曲や色収差もこのクラスの平均だが、15mmの周辺光量落ちが大きな弱点だ。鏡筒の造りは我慢できる範囲内だ。ライバルは同社のEF-M18-55mm F3.5-5.6で、このレンズの正式なテストはまだ行っていないが、光学性能と鏡筒の造りの両面で18-55mmは15-45mmよりも優れているようだ。

 

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換算画角24mmが必要であれば、18-55mmでは、写りませんので、標準ズームでは、15-45mmしか選択の余地はありません。

 

ただし、15㎜は非常にくせがあり、F8まで絞って使うべきです。

 

15-45mmの18㎜については、記載がありませんが、15㎜に順ずると考えるべきです。

 

そうすると、18㎜で、F3.5-5.6の範囲では、EF-M18-55mf / 3.5-5.6が、 EF-M 15-45mm f/3.5-6.3に勝っていると思われます。とはいえ差は小さいです。一方、DP-PREVIEWにもありますように、 EF-M 18-150mm f / 3.5-6.3がはるかに優れていますので、これをお持ちでしたら、EF-M 15-45mm f/3.5-6.3や、18㎜ f/3.5-5.6に優先して使うべきです。

 

一般には、標準ズームより、便利ズームの画質がよいことはあり得ないのですが、EF-Mマウントでは、そうなっています。

 

3)純正以外のレンズ

 

シグマのF1.4の3本のレンズ、16mmf1.4:、30mmf/ 1.4 、56mmF1.4が入っているのは順当と考えます。ただし、30mmf/ 1.4は、純正の32mmf/ 1.4と競合します。価格は純正より安いですが、性能も劣りますので、予算があれば、純正をおいて、購入する理由はありません。

また、この3本には、手ブレ補正機能はありません。

 

EF-M 18-150mm f / 3.5-6.3の手ぶれ補正は4段分です。

 

1.4->2.0->2.8->4.0->5.6

 

なので、手ブレについては、F5.6と同じになります。

 

16mmf1.4を手持ちで、暗所の撮影に使って、ぶれてしまったことがあります。

 

対抗馬は、オリンパスのE-PL6で、手ブレ補正値は非公開で、推定1~2段、レンズは、15㎜F2.0(F1.7をしぼる、換算60mm)ですが、Kiss Mに、16mmf1.4をつけた方が全敗でした。

 

かといって、直射日光下では、F1.4では、KIss M/M2の1/4000secのシャッター速度を越えてしまいます。EOS M6 Mark IIでは、1/16000secまで使えます。ただし、オリンパスパナソニックであれば、一番安い入門機でも、1/16000secまで使えるので、こんなところで、差別化して欲しくはありません。



タムロン18-200mmf/ 3.5-6.3は、純正のCanon EF-M 18-150mm f / 3.5-6.3 と競合します。望遠側が、200mmまであるのが魅力ですが、無理をしている分だけ、写りは劣ります。

ダブルズームのキットを購入すれば、 キヤノンEF-M18-55mmf / 3.5-5.6 がついてくるので、200mmはこれで写ります。EF-Mの望遠ズームは、このレンズしかありませんが、サイズからは考えられない程よく写ります。なので、タムロン18-200mmf/ 3.5-6.3を選ぶ理由はありません。なお、タムロン18-200mmf/ 3.5-6.3は現在、製造中止のようです。

 

EF-Mマウントの純正レンズは、キヤノンのLレンズのように、非常に良く写る訳ではありませんが、価格がともかく安いので、コストパフォーマンスは非常に高いです。このため、サイドパーティが、参入しにくくなっています。



次回は、唯一EF-Mマウントではない、Sigma 105mm f/2.8を取り上げます。



引用文献



11 Best lens for canon m50: (2022 Guide & Reviews) 2021/12/09 BEST OF LENS Sharon Advik

https://bestoflens.com/best-lens-for-canon-m50/

 

Canon EF-M 15-45mm f/3.5-6.3 STM IS - Review / Test 2016 OPTICAL LIMITS

http://www.photozone.de/canon-eos/972-canon_m1545_3563

和訳

キヤノンEF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM は良好な性能だが周辺光量落ちが大きい デジカメinfo

https://digicame-info.com/2016/02/ef-m15-45mm-f35-63-is-stm-2.html

 

EF-M 15-45mm vs 18-55mm - Which to choose? DP-PREVIEW

https://www.dpreview.com/forums/thread/4313534