RAPID3.0と生態系復元 ~2030年のヒストリアンとビジョナリスト

(英国の生態系データベースのRAPID3.0を紹介します)



2021年から2030年まで国連生態系復元の10年が実施されています。



UN Decade on Ecosystem Restoration From Wikipedia, the free encyclopedia

https://en.wikipedia.org/wiki/UN_Decade_on_Ecosystem_Restoration

 

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国連生態系復元の10年は、2021年から2030年まで実施されます。他の自然関連の国際的な数十年と同様に、その目的は、国連の環境目標を推進することです。具体的には、劣化し破壊された生態系の復元のための世界的な協力を促進すること。気候変動と闘うための努力を促進するとともに、生物多様性、食料安全保障、および水の供給を保護します。各国政府による復元活動の促進に重点が置かれている一方で、国連はまた、民間部門やNGOから一般の個人に至るまで、他の関係者からのそのような努力を促進したいと考えています。

 

2011年から2020年までの国連生物多様性の10年に続き、2021年6月に生態系復元の10年が始まりました。国連は、2030年までに中国と同様の総面積を復元するという既存の公約を継続するよう各国に求めました。彼らはまた、この10年間の包括的な目標は、10年の期間を超えて続く自然にやさしい運動を促進することであると述べています。

 

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国連生態系復元の10年の話を書きはじめたのですが、あまりに問題が多すぎて、今回は、RAPID 3.0の説明だけに、止めます。

 

RHS(River Habitat Survey in Britain and Ireland)は、2003年にできた英国の河川生態系の調査マニュアルです。

 

・River Habitat Survey in Britain and Ireland 2003

https://www.ceh.ac.uk/sites/default/files/files/rhs_guidance.pdf

 

米国の場合には、SVAP(1998,2009)があります。

 

・Stream Visual Assessment Protocol Version 2 2009

 https://www.nrcs.usda.gov/Internet/FSE_DOCUMENTS/stelprdb1043252.pdf

 

・Stream Visual Assessment Protocol Version 1 1998

https://efotg.sc.egov.usda.gov/references/public/OK/NWCC_99-1_Stream_Visual_Assessment_Protocol.pdf

 

2003年に、RHSが出来てから、英国では、2007年にCountryside Surveyを実施しています。

 

RAPID 3.0は、2007年にCountryside Surveyに合わせて開発されています。

 

RAPID 3.0を使うことで、調査データは、クラウドサーバー上のデータベースに登録されます。

 

同様のソフトは、米国にもあります。

 

RAPID 3.0は、2022年まで、15年間の実績があります。

 

つまり、英国は、こうした生態系データベースを基に、国連生態系復元の10年に取り組んでいます。

 

河川生態系以外に、沿岸湿地も、別のプロジェクトで、生態系のデータベースができています。

 

図1は、炭素の蓄積量の比較ですが、塩性湿地(salt marsh)の効果が大きいことがわかります。

 

環境復元は、温暖化対策になります。

 

詳しくは、調べていませんが、状況から判断すれば、米国もほぼ同じ研究レベルにあります。

 

ここでは、経済を中心に、変わらない日本、1人当たり所得が増えない日本を取り扱って来ました。

 

その中では、未だに、DXの遅れが指摘されています。

 

しかし、科学は、データがないと進みません。生態系データのDXの遅れは、そのまま生態学のレベルの遅れに繋がっています。

 

日本には、未だに、RHSもSVAPもありません。生態系データベースもありません。簡単にいえば、生態学のレベルは、経済の沈滞と同様に、変わらない20年になって、20年前から、日本だけが、進歩が止まっています。

 

以下に、RAPID 3.0のHPの和訳をのせておきます。

 

国連生態系復元の10年は始まったばかりですが、今のままでは、2030年には、日本のプレゼンスがあるとは思えません。

 

なお、UN Decade on Ecosystem Restorationを筆者は、「国連生態系復元の10年」と訳します。

 

一般には、「国連生態系回復の10年」と訳されていますが、Restorationは、回復ではないので、筆者は、その訳語は誤りであると考えます。

 

生態学の用語は英語では厳密に定義されていますが、日本語は、用語の正しい定義がなく、混乱しています。

 

簡単に言えば、バベルの塔の状態になっています。用語の統一がはかられていないことは、科学になっていないことを指しています。このテーマは、後ほど扱います。




図1 炭素の蓄積量の比較



 

https://www.rspb.org.uk/globalassets/downloads/projects/sustainable-shores-project---technical-report.pdf

 

以下、HPの和訳です。

 

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RAPID 3.0 software

 

https://www.ceh.ac.uk/services/rapid-21-software#FEATURES




RAPID 3.0は、英国全体の源流の水質を評価するのに役立ちます。これにより、ユーザーは2段階のプロセスではなく、源流の生物学的および物理的状態に関するデータをデータベースに直接入力できます。

 

CEHは、River Habitat Survey(RHS)データを入力するためのRAPIDを特別に設計しました。 RHSは、小川の物理的な生息地の質を評価するための一般的な英国全体の方法であり、2007年のCountryside Surveyで使用されました。RAPIDの前に、ユーザーは最初に標準の4ページの紙のフィールドシートに情報を記録してから、 RHSデータベース。 RAPIDを使用すると、ユーザーはフィールドのデータベースにデータを直接入力できるため、時間とリソースを節約できるだけでなく、エラーの可能性を減らすことができます。

 

 RAPID3.0の機能

 

 RHSデータを入力および保存するための明確でシンプルなユーザーインターフェースを提供します。フォームのデザインは、紙のフィールドシートのデザインを可能な限り反映しています。 

 

データを検証し、データの欠落やデータの二重入力について測量士に警告します。タブレットPCを現場で使用する場合、この検証は調査サイトにいる間に実行できるため、問題を迅速に解決できます

 

データ入力にドロップダウンボックスを多用することで、特定のセクションに関連するコードのみを入力できるようになります。



データベース内の完了した調査ごとに、生息地品質評価スコア(3.0バージョン)と生息地修正スコア(2003バージョン)を計算します。また、両方のインデックスの背後にあるサブスコアも提供します。 



また、RHS用紙フィールドシートをデータベースに転送し、その後RHS結果をエクスポートするための、使いやすいデスクベースのデータ入力システムとしても使用できます。 



環境庁は、環境庁に代わって実施されるすべてのRHS作業の認​​定を要求しています。 RHS認定は3年間有効です。その後、測定者surveyorsは再教育コースに参加するよう求められます。 



タブレットまたはデスクトップPCにRAPID3.0をインストールおよびセットアップする方法の説明は、ダウンロード時にRAPID3.0に付属のユーザーマニュアルに記載されています。 

 

RAPID3.0をダウンロードする RAPID 3.0を使用する前に、利用規約をお読みください。 

 

RAPID 3.0は、現在Access2007での使用には適していないことに注意してください。