アスペクト比の難題

写真の縦横比をアスペクト比といいます。

35mmフィルムのサイズは、24mmx36mmでした。これは2:3で縦を1とすれば、1:1.5になります。デジタルカメラのセンサーは、このアスペクト比に合わせて作られています。例外が、m43で、3:4、縦を1にすれば、1:1.34に作られています。デジタルカメラではアスペクト比を設定できますが、これは、センサーレベルでトリミングしたことになるので、後で、トリミングした方が、ふつうは安全です。

ただし、問題は、アスペクト比が大きく異なる場合です。

この問題は、インスタグラムが正方形の画像を基準にしたあたりから広がりました。

流石に、正方形は、風景写真では、厳しい時があります。人間の目は横に2つ付いていますから、横に長い画像に適しています。右目と左目の視野が独立していれば、1:2がベストのアスペクト比になります。シネスコは、これよりさらに広いので、左右の端が見えにくくなる効果を狙っているようにも思われます。

さて、インスタグラムも最近は、横長や縦長の写真を受け付けています。

インスタグラムで横長の場合には、1:1.91です。

noteの投稿では、1:1.95を推奨しています。

このように、サイトにより、微妙に異なるのも問題です。一方、darktableのトリミングと回転モジュールのプリセットで、これに一番近いアスペクト比は1:2です。そこで、最近は、この1:2を使っています。この時、カメラレベルでアウペクト比を、16:9に、すべきか否かが、今回の問題です。

なお、今回のカメラはm43なので、センサーのアスペクト比は3:4になります。

写真1は、筑波山を撮影しています。筑波山、池、対岸のサクラ、水に映った逆さ筑波山となれば、ベストですが、対岸のサクラはまばらで、たりません。そこで、前景にサクラを入れています。

写真2は、写真1を正方形(1:1)にトリミングしたものです。広がりが減っていますが、構図の要素は残っています。

写真3は、写真1を1:2にトリミングしたものです。ここでは、前景のサクラが欠けています。フレームを上げて、前景のサクラをしっかり入れると、今度は池が欠けてしまいます。

写真1は、換算30㎜で撮影しています。写真4は、換算24㎜で撮影した画像を1:2にトリミングしたものです。この場合には、構図の要素は残っています。

このような場合を考えると、仕上げが1:2の場合には、16:9で撮影した方がトラブルが少ないと思われます。

 

 

 

表1 アウペクト比の例

 

インスタ縦 1:0.8

正方形 1:1

35mm(2:3) 1:1.5

m43(3:4) 1:1.34

A4 1:1.415

ワイド(16:9)  1:1.78

インスタ横 1:1.91

note 1:1.95

dakktable preset 1:2

シネスコ 1:2.35

 

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写真1 筑波山

 

 

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写真2 筑波山

 

 

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写真3 筑波山

 

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写真4 筑波山