観光写真のレベルをあげたい(1)

ここのところテクニカルな細かな話が続いたので、気分を変えて、darktabkleには直接は関係しない、大まかな話をしたいと思います。

このブログで、風景写真を扱っている理由の一つに、観光ガイド(どことは言いませんが、特に、自治体や、観光協会の作っている観光ガイド)の写真が目を覆いたくなるレベルであることが多いことがあります。

観光ガイドの主な写真は風景写真と食べ物の写真であると思います。順に説明します。

風景写真

この原稿は、windows10の上で書いていますが、最近のwindowsでは、起動時に壁紙が自動的に切り替わります。この壁紙の写真が、中途半端ではありません。世界的な写真家の傑作が惜しげもなく使われています。その方面に詳しい人であれば、写真家の名前が出てくるレベルの名作です。普通の人が、それと知らずに、毎日、傑作写真を見ていますから、写真を見る人のレベルは非常に高くなっています。

観光用の風景写真は、見たらそこに行ってみたくなることが条件です。風景写真の場合には、目で見るときの視角が重要です。仮に、30㎝離れて、写真を見るとしたら、実際の紙の上、または、ディスプレイの上のサイズが、小さいと、それだけで印象が悪くなります。観光地が10カ所あった場合、平等主義で、小さな出来の悪い写真を10枚掲載すれば、共倒れになります。写真写りのよい観光地を1,2カ所大きく掲載すべきです。

これは、理想論を言っているわけではなく、実際に、観光大国のイタリアやタイの観光パンフレットを見れば、そうした構成で作られています。

このブログでは、富士宮田貫湖から見た富士を紹介しています。田貫湖は、富士山を見る、あるいは、富士山の写真を撮る以外に、取り柄はありませんが、観光客が絶えません。あるいは、三保の松原を入れた富士も観光資源になっています。

茨城県の県南では、筑波山霞ヶ浦が、風景写真の大きなテーマですが、決定的なサイトを知りません。もう少し掘り起こす必要があると思っています。水戸の偕楽園千波湖を入れて、ほぼ、完全な景観になっていますが、中央を常磐線が分断しているので、失格です。

昔、茨城百景という石碑を見たことがあります。これは、昭和25年に茨城県が制定したもののようです。これ以外に、茨城観光百選、茨城四十五景、水戸八景・新水戸八景などがあるようです。

上記の景勝地選抜で、県内で、一番、名前が通っているのは、茨城百景です。

wikiによれば、茨城百景は、「時代の移り変わりにより形状が変更されたり、存在しないものもあるが、変更するとの告示はなされていない。」そうです。このあたり、景勝地を育てるという意識が薄いと思われます。

まず、百景ですが、103か所選ばれています。そして、この103か所の数え方もよくわかりません。

つくば市に関係するところは次の3か所です。

  • 北条泉の筑波山: 男体山,女体山,白滝,大御堂,筑波神社,紫尾薬師

  • 観音と小田城址: 城山遊園地,東大池,蚕影山神社,一の矢の天王

  • 板橋不動尊と金村別雷神社: 福岡堰

このリストを見て、つくば市在住の人でも、全ての場所が思い浮かぶ人はいないと思われます。ここでは元の表のデータの1列目の「名称」を「:」の左に、2列目の「包含風景」を「:」の右に転記しています。実際には、2列目は、「包含風景」ではないので、1列目と2列目の違いはよくわかりません。この点は、次に、図1で説明します。

参照ポイントの一番少ない「板橋不動尊と金村別雷神社: 福岡堰」の位置を図1に示します。

図1から、わかるように、この3つは、別々の位置にあり、しかも、内容に脈絡がありません。「福岡堰」は、「板橋不動尊と金村別雷神社」の「包含風景」ではありません。

板橋不動尊真言宗の寺院です。この地点は、まだ、紹介していません。

金村別雷神社は神社です。この地点は、「金村別雷神社(1)~つくば市とその周辺の風景写真案内(92)」と「金村別雷神社(2)~つくば市とその周辺の風景写真案内(93)」で紹介しています。

福岡堰は、農業用水路です。この地点は、「福岡堰~つくば市とその周辺の風景写真案内(9)」で紹介しています。福岡堰は桜の名所です。つくば市内ではありません。つくば市内には、同じように桜が水に映えるポイントとしては、北条大池がありますが、桜の木の数と大きさで、福岡堰が上回っています。

茨城県は行ってみたい観光県ランキングでは、毎年、最下位付近に位置しています。観光に来る人は、お金と時間を使ってくるのですから、それに見合う満足を与えられるように、景観などの観光資源に磨きをかける必要があります。まだ、工夫の余地があると考えます。

茨城県内で、最近、ブランド作りに成功した地点に、「鵜の岬」があります。鵜の岬の写真を見ると、ドローンで撮影したと思われる航空写真が使われています。地上の撮影スポットは、よくわかりません。県内ですので、一度、いって状況を確かめてみたいと思います。

風景写真撮影から見れば、ゴールデンタイムは、日の出と日没です。観光地が景観で売り込むのであれば、この時間帯の写真を準備する必要があります。

例えば、写真1と写真2は、同じ日没前の千波湖の風景写真です。はっきりいって、失敗写真ですが、それでも、このようなゴールデンタイムの写真は、明暗のグラデーションがあるので、編集で、見栄えをよくできます。昼間の写真では、このような加工はできません。

観光地のガイドにのっている風景写真のうち、ゴールデンタイムに撮影した写真がどのくらい含まれているかを見るだけでも、観光地の本気度がわかります。

次回は、食べ物の写真について述べます。

 

茨城百景 昭和25年05月10日 告示第211号

https://www.pref.ibaraki.jp/somu/somu/hosei/cont/reiki_int/reiki_honbun/ao40009031.html

茨城百景 wiki

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8C%A8%E5%9F%8E%E7%99%BE%E6%99%AF

 

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図1 板橋不動尊と金村別雷神社: 福岡堰

 

 

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写真1 千波湖:ゴールデンタイム(とって出し)

 

 

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写真2  千波湖:ゴールデンタイム(darktableで編集)