色飽和の解消(1)表示参照(ベースカーブ)的方法
今回は、darktableで色飽和を解消する方法を説明します。
修正方法は、ワークフローが「表示参照」と「シーン参照」で異なります。
今回は「表示参照」に基づくワークフローです。これは、基本的に表示(色飽和)だけを、修正する考え方です。
なお、ここでは、RAWファイルでは、白飛び、黒とびはないとします。
RAWでの白飛びを防ぐには、設定露出を低めにしておきます。
筆者は、通常は標準露出をー0.7からー1.0EVに設定しています。
この方法の問題点は、次の点です。
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-1.0EVに設定しても、全ての白飛びが消える訳ではありません。これには、ダイナミックレンジだけでなく、カメラの癖が関係します。例えば、Panasonicの場合、ダイナミックレンジが狭いにも関わらず、曇りの日の空が良く白飛びします。
以上のようなRAWの白飛びがないにも、かかわらず、Jpegで色飽和している場合は、RAWからJpegへの変換の問題ですから、RAW現像の工夫で、回避できるはずです。
今回のテスト画像は、カメラは、D5300、レンズは 16-80mm f2.8-4.0です。撮影時の設定は、f4 、1/125sec、 80mm(フルサイズ互換120mm) 、ISO200です。このレンズは、2.8通しではなく、望遠側はf4.0で少し暗くなります。ただし、望遠側は80㎜(フルサイズ互換120mm)なので、f4.0でもそれなりにボケます。ここでは、80㎜、f4で撮影しています。
写真1は、元のサンプル画像です。
写真2が、Jpegの色飛び表示したもので、この部分が色飽和を起こしていると思われます。なお、写真3以下では、Jpegの色飛び表示はONになっていて、画像を見ながら、Jpegの色飛び表示がなくなる最少のスライダーの変化量を探して修正しています。モジュールは選択は、彩度調整ができるモジュールを探して、その後、効果を確かめています。
写真3は、カラーバランス・モジュールで出力彩度を下げて、Jpegの色飛び表示を消しています。
写真4はカラーバランス・モジュールのハイライト・ファクターを下げて、Jpegの色飛び表示を消しています。
写真5は「コントラスト・明るさ・彩度」・モジュールの彩度を下げて、Jpegの色飛び表示を消しています。
写真6はカラーゾーン・モジュールで、彩度モードに設定します。次に、2つ並んだ左のピッカーで、色飛びしている部分を選びます。ゾーンにピックエリアを示す縦線が表示されます。マウスでその部分の彩度を下げて、Jpegの色飛び表示を消します。
写真7はトーンカーブです。マウスでトーンカーブを下げて、Jpegの色飛び表示を消します。
まとめると、ポイントは、修正する部分以外の彩度に影響がない方法がベストであることになります。また、写真7のトーンカーブは普通は使いませんが、表示参照に基づくワークフローでは、モジュールの機能は、トーンカーブの代替であるという考えになりますので、試しています。「コントラスト・明るさ・彩度」・モジュールは、表示参照では使いますが、シーン参照では使いません。カラーバランス・モジュールとカラーゾーン・モジュールは、シーン参照でも使います。しかし、シーン参照のワークフローでは、色飽和は基本はフィルミックRGBモジュールの問題であると考えますので、基本ではこの2つのモジュールは使いません。この点は、次回に、扱います。