マスクの作成1(darktabel第3回)

モノクローム・モジュールを例に描画マスクの作成を説明します。マスクの使いかたは、Photoshopgimpと同じなので、その説明も参考になると思います。次がもとの画像です。

 

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処理前の画像

カラーグループに含まれるモノクロームモジュールを選びます。

 

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モノクロームモジュール

モノクロームモジュールの左上のボタン

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有効にするボタン

をクリックして、モノクロームモジュールを有効にします。

 

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モノクローム化の実行結果

ブレンドOFFを開くと、「均一、描画マスク、パラメトリックマスク、描画&パラメトリックマスク」が現れるので、「描画マスク」を選びます。

 

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ブレンド・オプション

グラデーションマスク

シェープの一覧が現れるので、最後のグラデーションマスクを選びます。

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マスクの選択

中央の画面上でマウスを左クリックするとグラデーションマスクが現れます。

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グラデーションマスクの結果

 

マウスの先端をクロス線の中央に合わせると、点線が2本現れます。これは、グラデーションが0%と100%の位置を示しています。長い実線はグラデーションが50%の位置を示しています。

マウスが2本の点線の間にある状態で、マウスのホイールを回すと、点線の位置が変化します。なお、マウスが2本の点線の外にある場合には、マウスのホイールは画面の拡大、縮小になります。

マウスを右クリックすると、操作が取り消しになります。これは、操作を最初からやり直すときに使います。

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グラデーションの調整

モノクロームモジュールの展開を閉じると、補助線が消えてい、マスクされた画像だけになります。

 

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結果の表示

 

マスクの効き具合を調べるには、右下の黄色いボタンをクリックします。

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マスクの効果をチェック

 

マスクの効いている部分が黄色になります。マスクの効いている部分を反転させるには、マスク反転をONにします。

 

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マスクの効果の表示

 

パスマスク

次に描画マスクのシェイプリストの右から2番目、パスを試してみます。ここで、パスとは閉じた線分でできた図形のことです。左クリックすると点を追加できます。右クリックでパスを閉じます。

 

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パスマスクの選択

 

パスにも実線と点線があり、その間で、マスクのグラデーションが変化します。グラデーションを緩やかにするには、点線と実線の間を大きく取ります。逆に、グラデーションを急にするには。点線と実線の間を詰めます。

 

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パスマスクの設定

モノクロームモジュールの展開を閉じると、補助線が消えます。ペイント、ドロー系のソフトのマスクでは、輪投げツールなどを使って、マスクのヘリが、対象のオブジェクトにピッタリ合うように加工します。しかし、写真の場合には、境界にグラデーションを施すころで、そこまで、厳密なマスクを作る必要はないようです。もっともこのれいでは、あまりに、大まかすぎで、改善すべきではあると思います。

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パスマスクの結果


 

応用方法

以上で、描画マスクの説明は終わりです。他のマスクのシェープについても、操作して、試してみてください。

効果グループのモジュールにグラデーションフィルタがあります。これをつかうと、モノクロームの代わりにカラーのグラデーションマスクを使うことができます。シェイプがグラデーションの場合には、使い出があると思います。

風景写真では、半分いろのついたフィルターを使うことがあります。典型的な場合は、海と空が写っている場合で、海と空の双方の露出が共に、うまく合うことはまず、ありえません。そこで、海または空の片方に、マスクをかけて、露出のバランスをとるテクニックがあります。これは、アナログ時代には、レンズの前に、半分だけいろのついたフィルターを設置することで、可能になります。デジタル時代でも、フランスのコーキン社が、こうしたフィルターを販売しています。しかし、フィルターは、レンズの径ごと、色合い事に調整する必要があり、コストと手間がかかります。グラデーションフィルターを使えば、同じような効果をだすことが可能です。

デジタルになって、PLとNDフィルターとレンズ保護用のフィルター以外は、ソフトの処理で対応できるようになりました。